フィリピンへの国産レーダー輸出完了 完成品の海外輸出は初

防衛装備庁は、航空機などの動きを監視する国産のレーダー1基についてフィリピンへの輸出が完了したと発表しました。防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」に基づき完成品を海外に輸出したのは初めてとなります。

政府が2014年に策定した「防衛装備移転三原則」に基づき防衛装備庁が働きかけ、3年前、国内の大手電機メーカーとフィリピン政府との間で航空機などの動きを監視する2種類のレーダー4基を輸出する契約が成立しました。

そして、このうち1基については現地で稼働に問題がないことが確認されたため、防衛装備庁は、先月24日にフィリピン軍への引き渡しが完了したと2日発表しました。

防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」に基づき完成品を海外に輸出したのは初めてとなります。

フィリピンとの安全保障分野での協力をめぐっては、今回のレーダーとは別に、政府は、同志国の軍に防衛装備品などを提供する新たな枠組み、OSA=「政府安全保障能力強化支援」を適用し、海洋の監視用レーダーなどを供与する方向で調整しています。

政府としては、中国の海洋進出に対し危機感を共有するフィリピンとの間で、連携を強化するねらいがあるものと見られます。

レーダー製造の三菱電機「日本の安全保障に貢献」

製造した三菱電機は、「防衛装備移転三原則に基づき、日本の安全保障に貢献するとともに、政府と連携し、同盟国や友好国の政府や企業との共同開発や装備品移転、サプライチェーンへの参加などに取り組んでまいります」とコメントしています。