2日午後0時半ごろ、北海道南部の福島町などにまたがる大千軒岳の中腹に人が倒れているのを道の防災ヘリコプターが見つけました。
警察によりますと、倒れていたのは6合目付近の登山道から外れたやぶの中で、その場で死亡が確認されましたが、遺体の損傷が激しく、性別など詳しいことは分かっていません。
残された現場の状況が、クマが動物を襲う際の特徴と似ていることなどから、今回、クマに襲われたとみられるということです。
警察は、先月29日に入山し行方不明になっていた函館市の20代の男性とみて身元の確認を進めています。
この付近では、先月31日にも登山をしていた男性2人がクマに襲われてけがをする被害が起きていて、そのときは持っていたナイフで抵抗してクマの目や、のど元を刺し、追い払ったということです。
警察によりますと、2日、遺体が見つかった現場から数十メートルほど離れた沢で体長およそ1メートル50センチのクマ1頭が死んでいるのも見つかったということで、警察が関連を調べています。

北海道 大千軒岳の中腹で遺体見つかる クマに襲われたか
2日午後、北海道南部の福島町などにまたがる山の中腹でクマに襲われたとみられる遺体が見つかりました。警察は先月29日から付近で行方が分からなくなっていた20代の男性とみて確認を進めています。
大千軒岳でクマに襲われた消防署員は

大千軒岳では、遺体が発見された場所の近くで31日午前、登山中の消防署員の男性3人がクマに襲われ、このうちの2人が軽いけがをしました。
3人のうち福島町の福島消防署に勤務する※大原巧海さん(41)がNHKの取材に応じました。
大原さんたちは山岳遭難がたびたび発生するルートを確認しようと、31日午前7時半ごろ入山し、その後、クマに遭遇したということです。
クマは斜面の下から現れたということですが、曲がり道で見通しが悪かったため大原さんたちはクマが近づいてきていることに気づかなかったということです。
はじめに仲間が襲われ、大原さんが山菜採りのために持っていたナイフでクマの目を刺したところ、今度は大原さんに襲いかかってきたということです。
大原さんは尻餅をつきましたが抵抗を続け、ナイフでクマののど元を刺すとクマはナイフが刺さったまま逃げていったということです。
大原さんたちはその後、自力で下山しましたが大原さんともう1人の41歳の男性の合わせて2人が足をかまれたり、首などを引っかかれたりして軽いけがをしました。
大原さんは「ことしに入ってクマがよく目撃されていることは知っていた。鈴や笛を頻繁に鳴らしていたがクマは襲いかかってきた」と話していました。
※大原の「原」は白ではなく「日」