沖縄のアヒル捕まえる行事 動物虐待の疑いで刑事告発 警察受理

沖縄県糸満市の沖縄伝統の手こぎ船のレースで行われる港に放ったアヒルを捕まえる行事について、動物愛護の活動をするNPO法人が、動物虐待の疑いがあると主張して行事の実行委員長や参加者などを刑事告発し、警察が受理しました。

毎年、旧暦の5月4日に海人のまちとして知られる糸満市で行われる手こぎ船のレース「糸満ハーレー」では、港に放ったアヒルを捕まえる伝統行事「アヒラートゥーエー」が行われています。

この行事について、東京のNPO法人「アニマルライツセンター」は、アヒルに過度な恐怖心と心理的抑圧が必ず加わるものであり、アヒルの使用をやめるべきだと主張しています。

団体は、ことし6月に行われたこの行事で虐待行為が確認されたなどと訴えて、実行委員長や参加者などを動物愛護法違反の疑いで刑事告発しました。

沖縄県警察本部は1日付けで告発を受理し、今後、関係者への聞き取りや当時の映像の解析などの捜査を進めることにしています。

一方、告発されたハーレー行事委員会の東恩納博委員長は、水中でアヒルの首を捕まえないなど丁寧に扱うよう呼びかけているほか、けがをしないようにアヒルを入れる柔らかい素材のかごを配布していると説明しています。

委員長は「地元の人たちが楽しみに待っている行事なので大切に受け継いでいくのが使命だと感じている」と話しています。