来年度の診療報酬改定“人件費など大幅引き上げ必要”日医会長

来年度の診療報酬の改定をめぐり日本医師会の松本会長は、物価の高騰や賃上げに対応するため、医師の人件費などにあたる「本体」部分の大幅な引き上げが必要だという考えを示しました。

医療機関に支払われる診療報酬は2年に1度改定されていて、年末に行われる予算編成の焦点の1つとなっています。

これについて日本医師会の松本会長は記者会見で「現在の価格高騰や賃上げは、これまでと明らかにフェーズが異なる。診療報酬改定でもコストカット型から完全に脱却し、異次元の対応が必要だ」と述べ、医師や看護師の人件費などにあたる「本体」部分の大幅な引き上げが必要だという考えを示しました。

また、財務省の審議会が診療報酬の引き上げによる国民負担の増加を抑えるため、利益率の高い病床をもたない診療所は、ためた利益を賃上げに充てるべきだと指摘したことについて松本会長は「この3年間はコロナ禍での特例措置による上振れが生じたが、特例は半分以下に引き下げられており、むしろ経営環境が悪化していく」と反論しました。

診療報酬の改定は、厚生労働省が行う医療機関の経営状況や薬の市場価格の調査結果なども踏まえて、年末に向けて議論が本格化する見通しです。