中国 李克強前首相の告別式行われる 習国家主席ら参列

中国では2日、先月死去した中国の李克強前首相の告別式が行われ、習近平国家主席らが参列しました。一方、会場周辺では、集まった大勢の人たちを警察官が追い返していて、当局としては李氏の追悼をきっかけに指導部への抗議活動につながらないか、神経をとがらせているものとみられます。

2013年から2期10年にわたって中国の首相を務めた李克強氏はことし3月に退任し、先月27日、滞在先の上海で68歳で死去しました。

国営の中国中央テレビによりますと、李氏の告別式は2日、中国共産党の歴代指導者の墓がある北京の斎場で行われ、習近平国家主席など最高指導部のメンバーらが参列しました。

この中で、習主席は、李氏の家族に哀悼の意を伝えたほか、李氏と関係が深いとされる胡錦涛前国家主席の名前で、花がおくられたということです。

また、北京中心部の天安門広場や中国外務省などでは、追悼のため半旗が掲げられました。

追悼の動きは各地に広がっていて、李氏の出身地では先週末から献花に訪れる人があとを絶ちません。

2日も告別式の会場周辺には大勢の人たちが集まりましたが、制服や私服の警察官が多数配置され、人々が持参した白い花を没収したり、集まった人たちを執ように追い返したりする様子もみられました。

李氏はかつて、習主席と指導者の座を争うライバル関係にあったほか、このところ、中国の景気の先行きに不透明感が広がっていることなどから、当局としては、李氏の追悼をきっかけに指導部への抗議活動につながらないか、神経をとがらせているものとみられます。

告別式会場周辺を訪れた人たちは

告別式が行われた会場周辺を訪れた男性は、「李前首相を見送ろうとやってきました。有言実行のよき首相でした」と話していました。

また別の男性は「李前首相をとても尊敬している。私たち庶民には、李前首相に別れを告げる権利があるはずだ。それなのに警察が追い払おうとするのは理解できず、受け入れられない」と不満をあらわにしていました。