保育所で園児虐待 保育士5人の刑事告発検討 徳島 佐那河内村

徳島県佐那河内村の公立の保育所で保育士5人が、園児に吐き出した食べ物を無理やり食べさせたり、感染症の疑いがある別の園児の鼻水をつけたりする「虐待」などの事案がこの3年間で30件あったことが確認され、村が刑事告発を検討しています。

徳島県佐那河内村の村立・佐那河内保育所では、一部の保育士による「虐待」と疑われる事案があったため、村が弁護士らに依頼して調査を行いました。

その結果、おととしからことしにかけて、保育士5人が園児への「虐待」や「不適切な保育」などをあわせて30件、繰り返していたことが確認されました。

このうち「虐待」は
▽園児の背中や尻をたたく。

▽吐き出した物を無理やり食べさせる。

▽机にこぼれた牛乳を園児に飲ませる。

▽感染症の疑いがある別の園児の鼻水をつけるなど、15件ありました。

無理やり食べさせられた子どもの中には、食事の時間にどうきが激しくなり激しく泣く子もいたということです。

また
▽園児の発達の状態をからかうなど「虐待以外の有害な影響を与える行為」は3件でした。

さらに
▽食事の量を減らす。

▽絵本を読んでほしいという園児に「うるさい」と発言するといった「不適切な保育」が12件ありました。

村は1日夜、保護者説明会を開き、岩城村長が謝罪しました。

村によりますと、5人の保育士のうち2人は退職し、別の2人は自宅待機、残りの1人は勤務を続けていて、村は保育士の処分や刑事告発を検討しています。

40代の保護者は「村に保育所はここしかなく、なくなると困るので、正すところは正してほしい」と話していました。