埼玉 郵便局立てこもり 「長年拳銃を持っていた」趣旨の供述

10月31日、埼玉県蕨市の郵便局に86歳の容疑者が人質を取って立てこもった事件で、容疑者が「長年拳銃を持っていた」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かりました。警察は長期間隠し持っていた拳銃を事件で使用した疑いがあるとみて、入手ルートなどを調べています。

埼玉県戸田市に住む鈴木常雄容疑者(86)は10月31日、埼玉県蕨市の郵便局におよそ8時間にわたって拳銃を持って立てこもり、郵便局の女性職員2人を人質にとったなどとして逮捕され、11月2日に検察に送られました。2人にけがはありませんでした。

これまでの調べで
▽立てこもった郵便局
▽容疑者が関与を認めている発砲事件があった病院の前の路上で
薬きょうがそれぞれ2つずつ見つかり、少なくとも4発発射されたことが分かっています。

その後の捜査関係者への取材で、拳銃は古いタイプの自動式で容疑者が「長年拳銃を持っていた」という趣旨の供述をしていることが分かりました。容疑者は、過去に暴力団と関わりがあったということです。

警察は長期間隠し持っていた拳銃を事件で使用した疑いがあるとみて、入手ルートなどを調べています。

火事が起きた自宅アパートを詳しく調べ

この事件に関連して、10月31日に火事が起きた鈴木容疑者の自宅アパートを、11月2日午前10時ごろから警察と消防が詳しく調べています。

建物の一階部分にはシートが張られて中は様子は確認できませんが、時折、警察官らが出入りしていました。また、近くでは通行人などに聞き込みをする捜査員の姿も見られました。

防犯カメラに容疑者か

10月31日、発砲事件があった埼玉県戸田市の病院近くの防犯カメラの映像です。鈴木容疑者とみられる姿が写っていました。白っぽいヘルメットをかぶり、黒い上着を着た人物が運転するバイクが、南から北の方向に走っていきます。

この直前に病院から発砲音についての通報が相次ぎ、1キロ余り先にある郵便局では1時間ほど後の午後2時すぎに立てこもり事件が発生しました。

発砲音か 近くの住民が撮影

10月31日午後2時40分ごろ、鈴木容疑者が立てこもった郵便局の様子を、近くのマンションに住む人がスマートフォンで撮影していました。

映像には、郵便局のまわりで警戒にあたる複数の警察官の姿が映っています。そして、「バーン」という発砲音のような大きな音も確認できます。

撮影した女性は「家にいたら外が騒がしかったので、マンションの廊下に出て外を見てみると、郵便局のまわりの道路を警察が封鎖していました。何かあったんだなと思い、家にいない夫に伝えようと撮影しました。戸田市の病院で発砲事件があったというニュースを見た時は現実味がなかったのですが、発砲音のような音を聞いて、一気に怖くなってすぐに部屋に逃げ戻りました。その日のうちに、人質も無事で解決した時は本当に安心しました」と話していました。