イスラエルとハマス衝突の死者 1万人超 戦闘激化で増加懸念

先月7日から始まったイスラエルとイスラム組織ハマスとの衝突による死者が双方あわせて1万人を超えました。

イスラエル軍は陸と空、それに海からハマスの拠点への攻撃を強化する一方、ハマス側も徹底抗戦する構えを示し、戦闘に巻き込まれる住民はさらに増えることが懸念されます。

イスラエル軍は1日、ガザ地区で行われている軍事作戦の動画を相次いで公開しました。

この中では、戦車がイスラエルとの境界近くを前進する様子や歩兵が住宅の中で爆発物がないかを確認するなど、地上部隊が市街地に入って作戦を続けていることが伺えます。

陸と空、それに海からの攻撃を強めているイスラエル軍は1日、北部のガザ市に隣接するガザ地区最大規模のジャバリア難民キャンプに前日に続いて激しい空爆を行いました。

イスラエルのガラント国防相は「戦争は勝つことが目的でそれ以外は二の次だ。これを気に入らない人や国があるかもしれないがハマスを倒すまでは続ける」と述べ軍事行動を続ける上である程度の市民の犠牲はやむを得ないとする考えを示しました。

ジャバリア難民キャンプの現地メディアからの映像では、破壊されたコンクリート製の住居のがれきが散乱して煙が立ちこめる中、住民たちがけが人やがれきの下敷きになった人たちを救出する様子が確認でき、多数の死傷者が出ているということです。

ハマス側はパン屋の前で住民が大勢集まっていたところやけが人などを搬送しようとする救急車が空爆されたとして「ジャバリアの2度目の虐殺で複数の家族が家族ごと犠牲になった」としています。

ハマスの最高幹部、ハニーヤ氏は演説で「われわれは仲介者に虐殺とジェノサイドに直ちに終止符を打つ必要性があると伝えたが、イスラエルの指導者は中東がすべて燃えてしまうことに異論がないようだ」と述べ、徹底抗戦の構えを見せました。

先月7日から始まったイスラエルとハマスとの衝突による死者はガザ地区側で8796人、イスラエル側で少なくとも1400人で、あわせて1万人を超え、戦闘が激化する中、巻き込まれる住民がさらに増えることが懸念されます。