専門家「海岸部から進軍はイスラエル軍にとって非常に合理的」

イスラエル軍は31日、ガザ地区に対して空爆や地上作戦を行ったと発表しイスラム組織ハマスに対する攻勢を強めています。

イスラエル軍が、海岸部などから地上作戦を進めていることについて、中東の軍事情勢や安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の西野正巳主任研究官は、「ハマスにとって戦いやすいのは住宅など多くの施設があり、民間人がいて、身を隠す地下トンネルがある場所だ。海岸はその真逆なので、海岸部から進軍するのはイスラエル軍にとって非常に合理的だ。今後はハマスの本拠地であるガザ市の中心部に進んでいくと思われる。ガザ地区の北部にいる戦闘員が南部に撤退するのを封じる役割もあると思われ、当面は北部で戦闘員をたたくことになるだろう」と分析しています。

そのうえで、イスラエルが空爆も続けていることについては「ハマスは建物があればその陰や屋上から攻撃を行うことができる。イスラエル軍としては兵士の犠牲を減らすためにも地上作戦に空爆を組み合わせ、建物を崩してより有利な環境を作りながら進んでいくと思う。住民の死傷者は増え続けるだろう」と指摘しています。

一方、ハマスの対応については「組織の生き残りを懸けて、基本的には市街戦の環境に持ち込み、反撃を行うと考えられる。住民の被害が出れば『イスラエル軍が不当に住民を殺害した』という形でプロパガンダに使い、人質を使った情報戦も続けると思われる」と指摘しています。

イスラエルが大規模な地上侵攻かを明らかにしないまま作戦を続けていることについては「人質の解放までは地上戦を控えてほしいというアメリカなどの要請と、国内での批判をかわすことができる。また、ハマスと共闘する立場にあるレバノンのヒズボラや、イエメンのフーシ派からの攻撃が激化するのを避けられる」と述べ、当面は大規模な地上侵攻かを明らかにしないまま作戦を進める可能性があると指摘しています。