東京国際映画祭 岸善幸監督の「正欲」が観客賞と最優秀監督賞

アジア最大規模の映画祭、東京国際映画祭は最終日の1日、各部門の賞が発表され、コンペティション部門では岸善幸監督の「正欲」が観客賞と最優秀監督賞に選ばれました。

先月23日に開幕した東京国際映画祭は、期間中、国内外の219本の映画が上映され、最終日の1日、東京 千代田区の会場で各部門の賞が発表されました。

このうち、15本の作品がノミネートされたコンペティション部門では、岸善幸監督の「正欲」が、観客賞と最優秀監督賞に選ばれました。

この作品は、朝井リョウさんのベストセラー小説が原作で、家庭環境や性的嗜好、容姿など、さまざまな理由で生きづらさを抱える人たちが出会い、価値観の違いに戸惑いながらそれぞれの生き方を模索していく物語です。

授賞式で岸監督は「こんな賞をもらえて幸せです。この作品は多様性ということばにもはじかれてしまうようなマイノリティーの中のマイノリティーを描いていて、映画を通して多様性の本当の意味を感じてもらえればと思っています」と喜びを語りました。

また、最高賞の「東京グランプリ」には、チベットの山村を舞台に、若い僧侶とヒョウの交流を通じて人間と自然の共生を描いたチベット人のペマ・ツェテン監督の「雪豹」が選ばれました。