初の「AI安全サミット」イギリスで開幕へ リスク管理が焦点

開発が急速に進むAI=人工知能の安全な活用に向け、各国や企業の代表が話し合う初めての「AI安全サミット」がイギリスで開かれます。悪用されたり、制御できなくなったりすると深刻な影響を及ぼすおそれのある高性能なAIのリスク管理に向けて国際的な協力を進められるかが焦点です。

「AI安全サミット」はロンドン郊外で1日から2日間にわたって開かれ、欧米や中国、日本など28か国の政府高官のほか、企業の代表など、合わせておよそ100人が出席し、新たにAI企業を立ち上げたイーロン・マスク氏の参加も報じられています。

主催するイギリス政府は、AIについて、経済と社会を変革し、大きなチャンスをもたらしうるとする一方、高性能なものは生物兵器の製造やサイバー攻撃に悪用されたり、人間の価値観や意思に反し制御できなくなったりすると世界の安定を脅かすおそれがあると警鐘を鳴らしています。

サミットでは、こうした高性能なAIのリスクを共有したうえで、安全確保に向け企業がとるべき対策や、共同研究の可能性などを話し合う予定で、イギリスにはAIの分野でリーダーシップを発揮したいねらいもあります。

ドイツの調査会社スタティスタによりますと、AIの市場規模は10年間で20倍近く拡大し、2030年には1兆8000億ドル余り、日本円でおよそ280兆円に達すると見込まれています。

開発が急速に進むAIのリスク管理に向けて、国際的な協力を進められるかが焦点です。