「貧乏くさい」と言われた「じゃこ天」 秋田から注文急増

先月、秋田県の佐竹知事が愛媛県の特産品じゃこ天について、「貧乏くさい」などと発言し、その後謝罪したことをきっかけに、愛媛県内でじゃこ天を製造・販売する店舗には秋田県からの注文が急増しています。

秋田県の佐竹知事は、先月23日、秋田市で行われた会合で、愛媛県南予地方の特産品じゃこ天について、「貧乏くさい」などと発言して批判が相次ぎ、その後謝罪しました。

これをきっかけに、愛媛県内でじゃこ天を製造・販売する店舗には、秋田県からの注文が急増しています。

このうち、松山市の「木村蒲鉾店」では、知事の謝罪以降、通販サイトで秋田県からの注文が急増し、先月31日までに100件にのぼったということです。

なかには「知事の発言で不快な思いをさせて申し訳ありません」というメッセージが添えられていたり、「四国の方々には秋田県をよく捉えていただきたく、互いの発展を願うばかりです」という手紙が店に届いたりしているということです。

木邨一店長は「最初は腹が立ちましたが、結果的に売れ行きもよく、秋田県の方には感謝しかありません」と話していました。

また宇和島市の「安岡蒲鉾」でも、じゃこ天のネット注文が急増していて、その6割ほどが秋田県からの注文だということです。

この店では今週末、東京の代々木公園で開かれる各地の食を紹介するイベントで、じゃこ天の実演販売を行う予定で、隣のブースでは秋田県のきりたんぽが販売されるということです。

店のSNSで「奇妙な巡り合わせ」だという内容を投稿したところ多くの反響が寄せられたということで、安岡弘和取締役は「今回の騒動でじゃこ天の知名度が上がっておいしさを知ってもらう機会になればと思います」と話していました。

11月中旬にも都内で四国4県と秋田県 合同の物産展

一連の騒動をきっかけに、11月中旬にも四国4県と秋田県の合同の物産展を開催する計画が進められています。

愛媛県によりますと、秋田県側から四国4県に対して呼びかけがあり、現在、開催に向けた準備が進められているということです。

合同の物産展では、5つの県の特産品をPRしようと、それぞれの県の特産品の詰め合わせセットなどの販売も計画されています。

開催日は11月15日前後で、場所は東京 有楽町の秋田県のアンテナショップで調整しているということです。