ロシア軍 ウクライナ東部で攻勢強めるも 南部では守りを強化か

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は東部の各戦線で部隊を増強するなど攻勢を強めています。一方、ウクライナ軍が反転攻勢を続ける南部では、ロシア側は精鋭とされる空てい部隊の司令官が指揮をとることになったとみられ、占領地域の守りを強化するねらいとみられます。

ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は10月30日、SNSで「ロシア軍は、クピヤンシクで活発に活動し、バフムトでは防衛から積極的な攻勢へと移行した」と投稿し、東部のハルキウ州クピヤンシクやドネツク州バフムトでロシア軍が攻勢を強めていると指摘しました。

ロシア軍はドネツク州のウクライナ側の拠点、アウディーイウカでも部隊を増強して攻撃を続けています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は30日ロシア軍が受刑者などで構成された「ストームZ」と呼ばれる突撃部隊を激戦地に投入していると指摘していて、兵士の犠牲をいとわず攻勢を強めているとみられます。

一方、イギリス国防省は31日、ロシア軍が南部ヘルソン州で作戦指揮をとる司令官に、精鋭とされる空てい部隊の司令官で、参謀本部の評価が高い、テプリンスキー氏を新たに任命したとみられると指摘しました。

ウクライナ軍の部隊は、ヘルソン州を流れるドニプロ川でロシア側が占領する東岸に渡って反転攻勢を続けていて、イギリス国防省は「ロシアにとって、ヘルソン州の占領地域の維持が優先課題となっている」と分析しています。