【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11月1日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる1日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ ロシア軍の無人機やミサイル攻撃で火災

ウクライナ空軍は1日、ロシア軍が夜間、イラン製の自爆型無人機20機やミサイルで攻撃を行い、無人機18機などを撃墜したと発表しました。

また中部ポルタワ州の当局者は、ロシア側からの無人機による攻撃でクレメンチュクにある製油所が破壊されて火災が起きたと明らかにしました。

ウクライナのクレバ外相は31日、SNSでインフラ施設が破壊されれば大きな損失になるとして「ウクライナの防空を最大限に強化することが、資源を節約することになる。人命が救われることはかけがえのないものだ」と投稿し、防空システムの強化に向けて欧米各国に支援を求めました。

一方、ロシア軍は、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点、アウディーイウカでも掌握をねらって部隊を増強していて、ウクライナ軍参謀本部は1日「敵はアウディーイウカの包囲を諦めておらず、航空戦力を使って攻撃を支援している」と指摘しました。

ウクライナ陸軍のシルスキー司令官も30日、ドネツク州のバフムトでの戦闘について「ロシア軍が防衛から積極的な攻勢へと移行した」と訴えるなど、ロシア軍が東部の各戦線で攻勢を強めているとみられます。

ロシア 東部は部隊増強で攻勢 南部では占領地域の守り強化

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は東部の各戦線で部隊を増強するなど攻勢を強めています。

一方、ウクライナ軍が反転攻勢を続ける南部では、ロシア側は精鋭とされる空てい部隊の司令官が指揮をとることになったとみられ、占領地域の守りを強化するねらいとみられます。

ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は10月30日、SNSで「ロシア軍は、クピヤンシクで活発に活動し、バフムトでは防衛から積極的な攻勢へと移行した」と投稿し、東部のハルキウ州クピヤンシクやドネツク州バフムトでロシア軍が攻勢を強めていると指摘しました。

ロシア軍はドネツク州のウクライナ側の拠点、アウディーイウカでも部隊を増強して攻撃を続けています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は30日、ロシア軍が受刑者などで構成された「ストームZ」と呼ばれる突撃部隊を激戦地に投入していると指摘していて、兵士の犠牲をいとわず攻勢を強めているとみられます。

一方、イギリス国防省は31日、ロシア軍が南部ヘルソン州で作戦指揮をとる司令官に、精鋭とされる空てい部隊の司令官で、参謀本部の評価が高い、テプリンスキー氏を新たに任命したとみられると指摘しました。

ウクライナ軍の部隊は、ヘルソン州を流れるドニプロ川でロシア側が占領する東岸に渡って反転攻勢を続けていて、イギリス国防省は「ロシアにとって、ヘルソン州の占領地域の維持が優先課題となっている」と分析しています。