4年前の参院選めぐる買収事件 広島市議ら4人有罪判決 広島地裁

4年前の参議院選挙をめぐる大規模買収事件で、河井克行元法務大臣から現金を受け取った罪に問われ、検察官から不起訴を示唆した違法な司法取引を持ちかけられたなどと主張していた広島市議会議員と元市議、合わせて4人に対し、広島地方裁判所は有罪判決を言い渡しました。そのうえで、このうち2人について、「検察官は不起訴を前提として取り調べ、元市議はそれを期待して意に沿う供述をしたことは否定できない」と指摘しました。

広島市議会の現職議員2人と元議員2人は、4年前の参議院選挙をめぐる大規模買収事件で、河井元大臣から現金を受け取ったとして公職選挙法違反の罪に問われました。

4人はこれまでの裁判で
▽選挙運動への報酬だという認識はなかったなどとして無罪を主張するとともに
▽東京地検特捜部の検察官による取り調べなどについて、元大臣らを起訴するために市議や元市議に不起訴を示唆して違法な司法取引を持ちかけ、うその自白調書などをつくったなどとして、裁判の打ち切りを求めていました。

31日の判決で、広島地方裁判所は、現金を受け取った際の元大臣とのやりとりなどから選挙運動への報酬だという認識があったと認定し、4人に罰金などの有罪判決を言い渡しました。

このうち2人の判決で、後藤有己 裁判長は「証拠によると、検察官は不起訴を前提として市議や元市議を取り調べ、市議や元市議は不起訴になることを期待して検察官の意に沿う供述をしたうえ、元大臣の裁判でも意に沿う証言をしたことは否定できない」と指摘したうえで、裁判を打ち切るほどの違法性はないと結論づけました。

一方、別の2人の判決で、日野浩一郎 裁判長は「不起訴にする約束はなかったと認められる」などと指摘しました。

この事件では、在宅起訴されたり略式命令を不服として正式な裁判を申し立てたりした12人への1審判決が31日までに出され、いずれも有罪でした。