中国ECサイトで日本製商品の販売不振続く 処理水放出めぐり

東京電力・福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出をめぐって、中国のECサイトでは、日本製の商品の販売不振が続き、10月初旬までの1か月半では、去年の同じ時期に比べておよそ30%、310億円余り売り上げが減少したことがマーケティング会社の調査で、わかりました。

東京電力・福島第一原発にたまる処理水の海への放出をめぐり、中国は今も日本産の海産物の輸入停止を続けていますが、都内のマーケティング会社が、中国の2つの大手ECサイトで販売されている日本製の商品2万2000点について売り上げの状況を調べました。

その結果、1回目の放出が始まったことし8月24日から10月8日までのおよそ1か月半の売り上げは、去年の同じ時期と比べて、およそ30%、日本円で310億円あまり減少していたということです。

放射性物質についての誤った情報がSNSで拡散していることなどが影響したとみられ、特に肌に直接触れる商品や食品が避けられる傾向があり、このうち、
▽化粧水などのスキンケア商品はおよそ155億円、率にして36%
▽おむつなどのベビー・マタニティー用品はおよそ57億円、34%
▽サプリメントなどを含む食品・保健商品はおよそ40億円、29%
それぞれ売り上げが減少しました。

全体の3割の商品で、商品の紹介文から「日本」という文字を削除したり「日本の輸入品」という文章を「海外の商品」と言いかえたりする事例が確認されたということです。

調査を行った会社の堀井良威さんは「これまでは日本の名前がブランドだったが、いまはマイナスのイメージになっている。中国の消費者は放射性物質に対する怖さを感じているので、検査などで安全を証明していくことが大事だ」と話していました。