“日本兵100人超 戦死” 沖縄戦の激戦地で国の掘削調査始まる

太平洋戦争末期の沖縄戦で激戦地の1つとなった沖縄本島北部の伊江島で、100人を超える日本兵が亡くなったとされるエリアにある壕のおおよその場所を記した資料が見つかったことなどを受けて、31日から国による掘削調査が始まりました。

78年前、沖縄本島北部の離島、伊江島では激しい地上戦の末、日本側は当時島にいた住民のほぼ半数にあたる1500人が犠牲になり兵士2000人が死亡しました。

沖縄で遺骨収集を行っているNPO法人が当時、旧日本軍の部隊が身を隠し106人の日本兵が戦死したとされるエリアにある壕のおおよその場所を記したアメリカ軍の資料を見つけたことを受け、これまで厚生労働省や伊江村などが遺骨収集に向けて現場の状況などを確認してきました。

厚生労働省は31日から11月2日までの3日間、現場で掘削調査を行うことにしていて、31日は調査を前に村役場で沖縄県や村の担当者などと掘削の範囲や作業の進め方を確認しました。

このあと当時を知る住民が壕の入り口があったと証言した島の北部にある階段状の地形をした場所で調査を開始しました。

調査は午後5時まで行われ、重機を使っておよそ20メートル四方の草木を伐採し、一部では4メートルの深さまで掘りましたが壕の入り口は見つかりませんでした。

厚生労働省社会・援護局の手塚直樹室長補佐は「戦後78年がたち、村民や遺族の気持ちを考えると急いでやらなければいけないと思っている。県や村とも連携し調査を進めていきたい」と話していました。

村の厚生課長を務めた内間さん「1日も早く見つけてほしい」

伊江島では昭和56年度から61年度まで国による遺骨収集が行われ、このうちの2年間、村の厚生課長を務めていた内間亀吉さん(85)は「当時も壕があるということはわかっていたが、肝心な入り口がどこにあるかわからずこの場所は掘り残すことになった。今回の調査ではぜひ入り口が見つかってほしいし、戦死された方々の遺骨を1日も早く見つけてあげてほしい」と話していました。