ロシア軍 ドネツク州 拠点の戦闘に受刑者の突撃部隊か

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、東部ドネツク州の拠点、アウディーイウカの戦闘で、受刑者などで構成された突撃部隊を投入しようとしていると指摘され、兵士の犠牲をいとわずに掌握を目指しているとみられます。

ロシア軍は東部ドネツク州のウクライナ側の拠点、アウディーイウカの掌握を目指して攻勢を強めています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は30日、「ロシア軍は受刑者などで構成された『ストームZ』と呼ばれる突撃部隊を、消耗が激しい攻撃作戦で使用し続けている」としたうえで、アウディーイウカの肉弾戦に投入するための訓練が行われていると指摘しました。

一方、この部隊はこれまでも訓練が十分でないまま前線に投入され、甚大な死傷者が出ているとしています。

イギリス国防省も今月24日、「ストームZ」についてロシア軍は、当初は精鋭の部隊として組織していたものの、ことしの春以降は、受刑者や軍紀に違反した懲罰対象の兵士などで結成され、ウクライナ侵攻で繰り返し攻撃命令が出されていると分析しています。

ロシアはアウディーイウカの戦闘ですでに大きな損失が出ていると指摘されていますが、兵士の犠牲をいとわずに掌握を目指していることがうかがえます。

ウクライナ軍は31日、去年2月にロシアが軍事侵攻を開始してから、ロシア側の兵士の損失が30万人を超えたと主張していて、イギリス国防省は今月22日、ロシア軍の死者と戦闘に復帰できない恒久的な負傷者を合わせた人数は、15万人から19万人に上るという見方を示しています。