1等米の比率 大幅低下 全国平均 猛暑で 米どころ新潟も顕著

記録的な猛暑の影響で、見た目の評価がもっとも高いとされる「1等米」の比率が低下しています。先月末の時点で全国平均が大幅に低下したほか、米どころの新潟県では、13%余りと去年の同じ時期と比べて、60ポイント以上の落ち込みとなりました。

コメの等級は法律にもとづいて、形などの見た目をもとに4つの区分に分けられ、もっとも見た目の評価が高いものは、「1等米」に分類され、JAなどによる買い取り価格が高くなる傾向にあります。

農林水産省の発表によりますと、ことしの1等米の比率は、先月末の時点で全国平均が59.6%と、去年の同じ時期を16ポイント余り下回りました。

各県別で見ると
▽米どころの新潟は、13.5%と去年より60ポイント余りの落ち込みとなりました。

このほか
▽山形が54.7%で41ポイント余り
▽秋田が62.6%で30ポイント
▽富山が56.8%で28ポイント余り、それぞれ下回っています。

記録的な猛暑などによる生育不良で、コメが白く濁ったり、割れたりしていることなどが主な原因です。

等級が落ちても味は変わらないことが多いとされますが、農家の収入の減少につながることが懸念されています。

一方、各地では、暑さに強い新しい品種の開発も進められていて、新潟では、暑さに強いとされる「新之助」の1等米の比率が97.3%となりました。

宮下農相「高温耐性品種への転換や対策技術導入が必要」

宮下農林水産大臣は、31日の閣議のあとの会見で「厳しい気候に見舞われた地域では等級などの低下も見られるが、そのような地域でも高温耐性の品種では、比較的、等級の低下が抑えられている。温暖化に伴う影響は、今後も引き続き発生することが懸念されることから、高温耐性品種への転換や、対策技術の導入をさらに進める必要があり、検討されている補正予算で必要な予算を確保したい」と述べました。