首相 区長選の広告利用勧めた法務副大臣の報道 法相に確認指示

東京 江東区の区長の陣営が選挙期間中に動画投稿サイトに投票を呼びかける有料広告を出していたとして東京地検特捜部から公職選挙法違反の疑いで捜索された事件をめぐり、柿沢法務副大臣が有料広告の利用を勧めていたと報じられたことについて、岸田総理大臣は、小泉法務大臣に事実関係を確認するよう指示したことを明らかにしました。

柿沢法務副大臣

東京 江東区の木村弥生区長の陣営が、ことし4月に行われた区長選挙の期間中、動画投稿サイトに投票を呼びかける有料広告を出していたとして東京地検特捜部から公職選挙法違反の疑いで区役所の区長室などを捜索された事件で、地元選出の柿沢法務副大臣は、みずから木村区長側に有料広告の利用を勧めていたと報じられました。

これについて、岸田総理大臣は参議院予算委員会で「報道のとおりだとすれば誠に遺憾なことだ。法務副大臣は法の執行に関してより厳密でなければならない立場だと認識している。事実関係を法務大臣に確認するよう指示した」と述べました。

そのうえで柿沢法務副大臣を更迭するのか問われたのに対し「事実を確認した上で判断する」と述べました。

松野官房長官「総理および私から事実関係確認を指示」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「報道を受け、総理および私から法務大臣に対し事実関係を確認するよう指示をしたところだ」と述べました。

また記者団から「柿沢法務副大臣が辞任の意向を示しているという一部報道があるが把握しているか」と問われたのに対し「現時点で事実関係について把握していない」と述べました。

小泉法相「『深く反省している』との話あった」

小泉法務大臣は、閣議のあと記者団に対し「官房長官から報道についての事実関係を確認するよう指示を受け、柿沢副大臣と電話で連絡をとった。副大臣からは、違法だという認識はなかったものの、深く反省しているとの話があった」と述べました。

その上で「私からは柿沢副大臣に対して、政治家としての説明責任をしっかり果たすよう指示を行った」と述べました。

さらに、記者団が「『深く反省している』というのは江東区の木村区長に対し選挙期間中に投票を呼びかける有料広告を出すようアドバイスをしたことか」と質問したのに対し小泉大臣は「そうだ」と述べました。

岸田首相「誠に遺憾 任命責任を感じている」

東京 江東区の区長の陣営が東京地検特捜部から公職選挙法違反の疑いで捜索された事件をめぐり、柿沢法務副大臣が動画投稿サイトに投票を呼びかける有料広告を出すことを提案した責任をとりたいとして辞表を提出したことについて、岸田総理大臣は参議院予算委員会で「誠に遺憾で、任命責任を感じている」と述べました。

この中で、岸田総理大臣は「柿沢法務副大臣が辞表を提出したということを先ほどメモで報告を受けた。今手続きを進めていると承知している。誠に遺憾だ」と述べました。

そのうえで「就任からまもなくして辞表を出されたことについて私自身の任命責任を感じている。国民の信頼回復のために先頭に立って努力をさせていただく」と述べました。

また、予算委員会のさなかに辞表が提出されたことを立憲民主党が批判したのに対し、岸田総理大臣は「辞表を出すタイミングは本人の判断だと思うが受理するかどうかを法務大臣として判断してほしい。法務大臣が本人と会うことで事実を確認する」と述べました。

小泉法務大臣は「予算委員会が始まる前に柿沢副大臣と電話で話をした。昼休みに本人に会って確認したい」と述べました。