全米自動車労働組合 GMとも暫定的合意と発表 スト収束へ

ストライキを続けてきたアメリカのUAW=全米自動車労働組合は、GM=ゼネラル・モーターズとの間で賃上げなどで暫定的な合意に達したと発表しました。
これでUAWは、労使交渉を行っていた大手自動車メーカー3社すべてと暫定的な合意に達し、1か月以上にわたったストは、収束に向かう見通しとなりました。

UAW=全米自動車労働組合は、アメリカの大手メーカーのGMやフォード、それに、クライスラーなどのブランドを傘下に持つヨーロッパのステランティスの3社との間で労使交渉が合意できず、9月15日にストライキに突入しました。

その後、10月25日にフォードと、28日にステランティスと暫定的な合意に達していましたが、30日、残るGMとも賃上げなどで暫定的な合意に達したと発表しました。

組合側は労使交渉を始めた当初、4年間で40%の賃上げを求めていましたが、GMの経営側と4年半で25%の賃上げで合意したということです。これは、フォードやステランティスの経営側と合意した賃上げと同じ水準になります。

組合側は、ストを行っていたGMの工場や部品の配送施設の組合員が、仕事に戻るとしています。

1か月以上にわたったストは、アメリカの自動車産業や経済に及ぼす影響が懸念されていましたが、UAWと3社すべてが暫定的な合意に達したことで、収束に向かう見通しとなりました。

バイデン大統領「歴史的な合意だ」

これに関連してアメリカのバイデン大統領は30日、演説の中で「歴史的な合意だ。双方が激しく闘って得たものであり、大手3社が質やイノベーションにおいて、世界をリードできることを保証するものだ」と述べて歓迎しました。

また「労働者の力は経済成長に欠かせない」と述べ、中間層の底上げを通じて、経済の活性化を目指すみずからの政策の正当性を強調しました。