香港 区議会議員選 立候補締め切り 民主派政党 届け出できず

香港でことし12月に行われる区議会議員選挙の立候補の受け付けが締め切られ、親中派の政党から100人以上が立候補を届け出た一方、政府に批判的な立場の民主派の主要政党は1人も届け出ることができませんでした。前回、4年前の選挙では民主派が圧勝した選挙ですが、その後、選挙制度が親中派に有利に変更された結果、民主派が排除された形です。

香港では地方議会にあたる区議会の議員選挙にむけた立候補の受け付けが30日、締め切られました。

中央政府や香港政府を支持する親中派の政党からは100人以上が立候補を届け出た一方、政府に批判的な立場の民主派の主要政党は1人も届け出ることができませんでした。

このうち、民主派の最大政党・民主党は6人の候補者の擁立を目指してきましたが、ことし7月に変更された新たな選挙制度のもと、立候補に必要となった政府が任命する委員会のメンバーからの推薦を必要な数、得ることができず、届け出を断念しました。

区議会議員選挙はかつて、香港で最も民意を反映しやすい選挙といわれ、前回2019年の選挙では一連の抗議活動を受けて民主派が圧勝し、民主党は91議席を獲得しました。

しかし、3年前の2020年、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が施行され、その後、選挙制度が親中派に有利な仕組みに変更されました。

民主派が排除された形となったことで、中国政府が高度な自治を認めたとしている「一国二制度」の形骸化が一層鮮明になりました。

香港 民主党代表「候補者を擁立できず申し訳ない」

6人の候補者の擁立を目指したものの、届け出を断念した民主党の羅健煕 代表は声明を出し「選挙に参加することで、区議会に多様な考え方を反映させ、無力感がまん延する社会で試みを続けたかった。候補者を擁立できず大変申し訳ない」としています。