“ガザ地区 主要道路にイスラエル軍の地上部隊 到達”現地報道

イスラエル軍はパレスチナのガザ地区で地上での軍事行動を拡大しています。30日午前にはガザ地区を南北に貫く主要道路にイスラエル軍の地上部隊が到達したという現地報道もあり、ガザ地区を南北に分断して作戦を進めるねらいもあるとみられます。

イスラエル軍は、30日にかけてもガザ地区への激しい空爆を続け、ここ数日間で武器庫など合わせて600か所以上のイスラム組織ハマスの拠点を攻撃したと発表しました。

さらに、イスラエル軍は地上での軍事行動を拡大し、トンネルやビルに立てこもる数十人のハマスの戦闘員を殺害したほか、対戦車ミサイルの発射地点を空爆で破壊したなどと主張しています。

イスラエル軍がガザ地区内での軍事行動として公開した映像には
▽建物内に入ったイスラエル兵が窓から銃を構えて周囲を警戒する様子や
▽戦車が進む様子が写っています。

これに対し、ハマス側は29日夜のSNSへの投稿で「ガザ地区の北西部に侵入してきたイスラエル軍に対し、機関銃や対戦車兵器で激しく応戦している」と主張し、戦闘が続いているとみられます。

こうした中、30日午前、中東の衛星テレビ局、アルジャジーラなど複数の現地メディアは、ガザ地区を南北に貫く主要道路「サラハディン通り」にイスラエル軍の地上部隊が到達したと伝えています。

イスラエル軍はガザ地区を南北に分断して作戦を進めるねらいもあるとみられます。

パレスチナの赤新月社は29日、ガザ地区の北部にあり多くの市民が身を寄せるクッズ病院にイスラエル当局から退避するよう通告があり、その後、病院近くで繰り返し攻撃が行われているとしています。

病院側は30日も病院付近で空爆が続く様子や救急車が破壊されて使用できなくなっている様子の映像をSNSに投稿し、イスラエル側に病院への攻撃をやめるよう訴えています。

一連の衝突でこれまでにイスラエル側では少なくとも1400人が死亡し、およそ230人がガザ地区で人質にとられているほか、ガザ地区の保健当局によりますと、ガザ地区の死者は子ども3457人を含む8306人に上り、多数の住民が避難するガザ地区南部では支援物資が不足し、人道危機が深刻化しています。