「レベル4」自動運転事故 “接触直前に遠隔でブレーキ” 福井

福井県永平寺町で全国で初めて特定の条件下での完全な自動運転「レベル4」の運行を行っていた車両が自転車に接触した事故で、接触する直前に運行を監視する職員が遠隔でブレーキをかけたことが町への取材でわかりました。町などは当時の運行記録を詳しく調べ、原因の特定を進めることにしています。

この事故は29日、永平寺町の町道で自動運転を行っていた車両が、道路脇に駐輪してあった自転車と接触したものです。

乗っていた乗客4人にけがはありませんでした。

永平寺町では、ことし5月から町道のおよそ2キロの区間で時速12キロ以内で走るなど、特定の条件のもとでの完全な自動運転「レベル4」の車両の運行が全国に先駆けて始まっていて、町と運行を行う第三セクターは安全が確認されるまで運行を取りやめています。

町は運行システムを管理するメーカーなどとともに、当時の車両の運行記録を詳しく調べていますが、町によりますと運行状況をモニターで監視していた職員が、車両が自転車と接触しそうなことに気付き遠隔でブレーキをかけたということです。

ブレーキはかかったものの、自転車に接触した原因はわかっていないということで、町などは引き続き原因を調査しています。

永平寺町は「関係者の皆様にはご心配をおかけし、深くおわび申し上げます。このような事故が再発しないよう、事故の原因究明と対策を講じてまいります」とコメントしています。

運行区間と現場

永平寺町によりますと「レベル4」の自動運転は、町内の山あいを通るおよそ2キロの町道に設けた「荒谷」と「志比」の2つの停留所の間をおよそ10分で結び、1日13往復運行されています。

自転車と接触した車両は29日午前10時20分ごろ、荒谷停留所を出発し、3分の2ほどのところまで進んでいたということです。

車両が自転車と接触した現場周辺の道路は平たんなものの、直前には林を抜けるように緩やかな左カーブがかかっていたということです。

また、警察によりますと車両と接触した自転車は、現場の町道に後輪だけがかかっていたということです。