プロ野球 沢村賞 オリックス 山本由伸 3年連続はパ・リーグ初

プロ野球で今シーズン最も活躍した先発完投型のピッチャーに贈られる「沢村賞」に、最多勝や最優秀防御率など先発投手の主なタイトル4つを獲得したオリックスの山本由伸投手が3年連続で選ばれました。3年連続での受賞は金田正一さん以来2人目で、パ・リーグのピッチャーでは初めてとなりました。

沢村賞はその年に最も活躍した先発完投型のピッチャーに贈られる賞です。

受賞者を決めるために7つの基準が設けられ
▽15勝以上
▽防御率2.50以下
▽150個以上の奪三振
▽完投10試合以上
▽投球回数200イニング以上
▽25試合以上の登板
▽勝率6割以上となっています。

30日は沢村賞の選考委員会が都内で開かれました。

その結果、
▽パ・リーグの最多勝、最優秀防御率、最高勝率、それに最多奪三振と、先発投手の主なタイトル4つを史上初めて3年連続で獲得したオリックスの山本投手と
▽セ・リーグで最多勝と最高勝率のタイトルを獲得したDeNAの東克樹投手の
2人に絞られた中で、山本投手が3年連続で選ばれました。

山本投手は今シーズン、23試合に登板し、
▽16勝
▽防御率1.21
▽奪三振169
▽勝率7割2分7厘と
4つの基準をクリアしていて、東投手よりも「成績的に上回った」などとして受賞が決まったということです。

3回の受賞は史上5人目で、3年連続は1958年に当時の国鉄の金田正一さんが受賞して以来2人目、1989年から対象となったパ・リーグでは初めての快挙となりました。

堀内恒夫 委員長は「選考は1時間ほどかかり、山本投手と東投手の争いになった。ダブル受賞もという意見もあったが、その年のベスト1を決めるのが使命と考え、ナンバー1の成績だった山本投手を選んだ」と選考の理由を述べました。

オリックス 山本投手「ことしも選んでもらえてうれしい」

オリックスの山本由伸投手は「1年間を通してしっかり頑張ってきた。ことしも選んでもらえて、毎年続けてよい成績を残せたことはすごくうれしい」と心境を語りました。

選考基準となった成績の中で、最もうれしいものはどれかと聞かれ「防御率が1.21と自己最高の成績になったので、すごくよかったと思っている。自分のピッチングが最も影響する数字であり、重要視していただけにうれしい」と今シーズンの先発投手でパ・リーグ唯一の1点台をマークし、抜群の安定感を見せた防御率を挙げました。

また、16勝のうち最も印象に残っている試合については、プロ野球で82年ぶりとなった2年連続でのノーヒットノーランを挙げ「あの1勝がすごく印象に残っている。実感はあまりないが『戦後初』などと言われると、やはり喜びが大きい」と振り返りました。

沢村賞については「いままで活躍してきた大先輩の投手に選んでもらえる賞であり、最も価値のある賞だと思う」と話しました。

最後に理想のピッチャー像について「本当に隙がなく、毎試合、ベストパフォーマンスを出せるようになりたい。突き詰めてもっと極めていきたい」と決意を話していました。

3回目の「沢村賞」歴史に名を残す投手に

山本投手は今シーズンも圧倒的な成績を残してプロ7年目にしてプロ野球史上最多に並ぶ3回目の「沢村賞」に3年連続で選ばれました。

これまで3回受賞しているのは
▽「フォークボールの神様」と呼ばれ通算215勝をあげた杉下茂さん
▽前人未踏の通算400勝を達成した金田正一さん
▽阪神のエースとした活躍した村山実さん
▽巨人で数々のタイトルを獲得した斎藤雅樹さんの4人で
山本投手が5人目となりました。

さらに、3年連続となると1958年の金田さん以来2人目で、1989年から選考の対象となったパ・リーグでは初めての快挙となりました。

また、2000年代に入ると日本でトップクラスの成績を残すピッチャーは、大リーグに活躍の場を移すことが目立ち今も現役で活躍するピッチャーの「沢村賞」の受賞回数は
▽前田健太投手と
▽ヤンキースで活躍し現在は楽天でプレーする田中将大投手が2回
▽ダルビッシュ有投手は1回などとなっています。

このオフにポスティングシステムを使って大リーグへの移籍を目指すかが注目される中、7年目、25歳という若さにして3回目の「沢村賞」に選ばれた山本投手はプロ野球の歴史に名を残す大投手の1人に名を連ねました。