【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(30日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる30日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア ショイグ国防相 欧米との対話の可能性に言及

ロシアのショイグ国防相は、29日から北京で開かれている中国軍の関係団体が主催する国際会議に出席し、30日演説しました。

この中でショイグ国防相は「ロシアと中国の関係は模範的と言われ、ほかの国々にとってますます魅力的になっている。西側諸国が押しつける対立的な政策に巻き込まれたくないという国が拡大しているのだ」と述べ、ロシアは中国と連携し、新興国なども巻き込みながら欧米と対抗する勢力を形成したいとする考えを示しました。

一方、ショイグ国防相は「ロシアは、ウクライナでの紛争後の解決策と、西側とのさらなる共存について現実を踏まえて政治的に議論する用意がある」と述べ欧米がロシアに戦略的な敗北を与えるという路線を修正するなど、条件が整えば対話に応じるという考えを示しました。

今回の演説を通してショイグ国防相は、ウクライナ侵攻を続け欧米と対抗していく姿勢を強調しました。

その一方で、欧米などによるウクライナへの支援に消極的な動きも見られるなど、ウクライナを取り巻く状況を踏まえて、対話の可能性にも言及し、欧米側に揺さぶりをかける思惑があるとみられます。

ウクライナ提唱の和平案 各国代表など協議も共同声明見送りに

ウクライナが提唱する和平案について話し合う協議が、29日まで2日間の日程で地中海の島国マルタで行われ、欧米や日本、それに新興国など、60以上の国や国際機関の高官などが参加しました。

外交筋によりますと、協議では、当初、ウクライナは共同声明の発表を目指し、調整を進めてきました。

しかし、イスラエル・パレスチナ情勢をめぐる各国の立場の違いが表面化し、インドやトルコの代表は「ガザ地区でも国際法を順守すべきだ」と述べウクライナ侵攻を続けるロシアを非難する一方でイスラエルの立場を擁護するのは欧米側の二重基準だとする趣旨の意見を表明したということです。

こうしたことから各国の合意が必要な共同声明の発表は見送られ、共同議長をつとめたウクライナとマルタによる議長声明にとどまったことがわかりました。

イスラエル・パレスチナ情勢に関心が集まる中でウクライナ側は、60を超える国などの代表が一堂に会したことには意義があると強調するものの、緊迫する情勢がウクライナ支援に向けた議論に影響を及ぼしていることが浮き彫りになりました。