陸自女性隊員強制わいせつ事件の裁判 元上司3人に懲役2年求刑

陸上自衛隊の隊員だった女性に無理やりわいせつな行為をしたとして、上司だった元隊員3人が強制わいせつの罪に問われている裁判で、検察は3人にいずれも懲役2年を求刑しました。一方、弁護側は無罪を主張し、判決はことし12月12日に言い渡されます。

おととし8月、北海道にある陸上自衛隊の演習場で、隊員だった五ノ井里奈さん（24）を押し倒し、服の上から体を触ったなどとして、いずれも元上司で、陸上自衛隊郡山駐屯地の部隊に所属していた元3等陸曹、渋谷修太郎被告（30）と関根亮斗被告（29）、木目沢佑輔被告（29）の3人が強制わいせつの罪に問われています。

福島地方裁判所で開かれた30日の裁判で、検察は「被害者の証言は合理的で信用でき、3人の行為がわいせつな行為にあたることは明らかだ」と主張しました。

その上で「宴会の席を盛り上げるためという、自己中心的で、被害者の尊厳を顧みることのない身勝手な動機で及んだもので、非難の程度は大きい。被害者の性的羞恥心を大きく害する行為で卑劣で悪質だ」として、3人にいずれも懲役2年を求刑しました。

一方、弁護側は「被告の1人は性的な行為という意図がなく、ほかの2人は技をかけただけでわいせつな行為はしていないため、いずれも強制わいせつ罪は成立しない」として無罪を主張しました。

裁判の審理は30日で終わり、判決はことし12月12日に言い渡されます。