国の基金残高 3月末時点で16兆円余 実態検証し見直しへ 政府

経済対策など国の事業のために積み立てられた基金の残高は、ことし3月末の時点で16兆円余りに上り、政府は、新型コロナの感染拡大を受けて必要性が十分精査されないまま積み上がった可能性もあるとして、実態を検証し、見直すことにしています。

国の事業のため各府省のもとに設けられているおよそ150の基金について、政府は、行財政改革の一環として、運用状況を調べました。

それによりますと、過去10年間で各基金に積み立てられたのは総額35兆円で、およそ8割に当たる28兆円が、新型コロナの感染拡大を受けて緊急経済対策の策定が相次いだ令和2年からの3年間に集中しています。

一方、過去10年より前のものも含め、これまでに積み立てられた基金のうち、使われていない残高は、ことし3月末の時点で16兆6000億円に上っています。

内閣官房の担当者は「コロナ禍の時期を中心に、必要性が十分精査されないまま積み上がり『水ぶくれ』となっている可能性もある」と指摘しています。

政府は、来月、有識者を交えて実施する行政事業レビューなども通じ、事業の終了時期や目標が不明確なものはないかなど、各基金の実態を検証し、必要に応じて見直すことにしています。