上川外相 人道目的での休戦求める決議の棄権 “総合的に判断”

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの軍事衝突をめぐり、国連総会の緊急特別会合で採択された人道目的での休戦などを求める決議に日本が棄権したことについて、上川外務大臣は、ハマスによるテロ攻撃への強い非難がないことなどを総合的に判断したと説明しました。

国連総会では27日、イスラエル軍とハマスの軍事衝突をめぐる緊急特別会合が開かれ、人道目的での休戦などを求める決議が121か国の賛成で採択されましたが、日本やイギリスなどは棄権しました。

これについて上川外務大臣は、大阪市で記者団に対し「決議案にはガザ地区の人道状況に対処するための重要な要素が含まれ、支持できる内容もあった一方、テロ攻撃への強い非難の言及がないなど、全体としてバランスを欠いていたことから総合的に判断した」と説明しました。

また、イスラエル軍がガザ地区で地上での軍事行動を拡大したことについて「深刻な懸念を持って情勢を注視している。事態の早期沈静化や人道支援活動が可能な環境の確保に向けて、各国と連携しつつ、関係者に働きかけるなど積極的に取り組んでいく」と述べました。