“核兵器のない世界目指す”日本提出の国連決議案30年連続採択

核兵器のない世界を目指して世界に取り組みを呼びかける国連決議案を日本政府が提出し、賛成多数で採択されました。核兵器廃絶を目指す日本の決議の採択は30年連続です。

日本は唯一の戦争被爆国として、核兵器廃絶に向けた決議案を毎年、国連に提出していて、ことしの決議案は27日、軍縮を扱う国連総会の第1委員会で採決が行われ、賛成多数で採択されました。

決議の採択は1994年から30年連続となります。

賛成したのは核保有国のアメリカやイギリスを含め145か国で、去年より6か国増えました。

一方、ロシアや中国、北朝鮮など7か国が反対しました。

決議ではウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアを念頭に、「核兵器をめぐる無責任な主張によって世界の安全保障環境が悪化している」と懸念を示し、ロシアがアメリカとの核軍縮条約「新START」の履行停止を表明したことに遺憾の意を表しています。

また、世界全体の核弾頭の数は減少傾向にあるものの、中国が核戦力を増強しているとみられることを念頭に、「いくつかの国の行動でリスクにさらされている」と指摘し、核保有国に対して核兵器のさらなる削減や透明性の確保などを求めています。

このほか、すべての国連加盟国に対し、指導者や若者が広島や長崎を訪問し、被爆者との交流を通じて被爆の実相に理解を深めるべきだと呼びかけています。