死去の李克強前首相 “退任後も党中央を支持” 中国国営テレビ

中国の李克強前首相が死去したことについて中国の国営テレビは27日夜、「李氏は首相退任後も習近平同志を核心とする党中央の指導を支持した」などと強調しました。

中国の李克強前首相が27日未明、死去したことについて、国営の中国中央テレビは27日夜のメインニュースの中で10分あまり伝えました。

このなかで李氏について、「党と国家の卓越した指導者」などとしたうえで、「新型コロナウイルスの影響や国内経済の減速など多くの試練に直面する中、新たな発展構造を構築し、質の高い発展を推進した」などと高く評価しました。

一方で、メインニュースの中で李氏の訃報は、習近平国家主席が開いた政治局会議や李強首相の外交活動に続く3つめの項目で、映像も顔写真だけでした。

また、李氏は経済学の博士号を持ち、首相在任中の経済政策はその名前にちなんで「リコノミクス」ともいわれましたが、そうしたことへの言及はなく、「李氏は首相退任後も習近平同志を核心とする党中央の指導を断固として支持した」と強調しました。

中国ではNHKの海外向けテレビ放送「ワールド・プレミアム」で李氏の死去のニュースを伝えた際、「習近平国家主席の権力が強まる一方で、李前首相の存在感が低下し、ことし3月に首相を退任した」などと報じた部分で放送が一時中断されました。

李氏はかつて習主席のライバルともいわれ、両者のわだかまりがたびたび取り沙汰されただけに、中国当局が神経をとがらせていることがうかがえます。