ロシア 冬にウクライナのインフラ施設へミサイルで攻撃再開か

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは冬の間、インフラ施設に対して、無人機による攻撃に加え、最近は控えていた航空戦力からのミサイル攻撃も再開する可能性が指摘され、ウクライナ側は警戒を強めています。

ロシア軍はウクライナの各地で無人機による攻撃を続けていて、25日には西部のフメリニツキー原子力発電所で敷地内にある建物が被害を受け、ゼレンスキー大統領は「原発を標的にしていた可能性が高い」と強く非難しました。

また、戦況を分析するイギリス国防省は27日、「ロシア空軍の長距離航空部隊は1か月以上にわたってミサイル攻撃を行っておらず、ミサイルの在庫を蓄える狙いがある」と指摘しました。

そのうえで、冬の間、新たに製造したミサイルを使用し、ウクライナのインフラ施設への攻撃を再開する可能性があると分析しています。

ウクライナ側は警戒を強めていて、ウクライナ大統領府は27日、ゼレンスキー大統領がイギリスのスナク首相と電話で会談し、ロシアのミサイルや無人機に対抗するための防空システムの強化について話し合ったと発表しました。

一方、ロシアの原子力当局はウクライナと国境を接するロシア西部のクルスク州にある原発に26日、敵の無人機3機による攻撃が行われ、いずれも撃墜されたと発表しました。

原子力当局は原発の運転には影響はなかったとしていますが、独立系メディアは無人機のうち1機は使用済み核燃料の貯蔵施設の近くで爆発し、施設が損傷したという見方を伝えています。