「ライドシェア」 安全懸念踏まえ 政府は丁寧に議論進める方針

一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「ライドシェア」の導入について、政府は年内に一定の報告をまとめたい考えで、乗客の安全確保などへの懸念も踏まえ丁寧に議論を進めていく方針です。

「ライドシェア」について岸田総理大臣は、地域交通の担い手不足などの社会問題に対応する観点から導入に向けた課題を検討し、早急に方向性を出す考えを示しています。

これを受けて政府は、「デジタル行財政改革会議」を中心に検討を本格化させていて、河野デジタル大臣は27日の国会審議で、「年内に報告できるところまで、何かしらのとりまとめをしたい」と述べました。

「ライドシェア」をめぐっては政府内から、「一般のドライバーの運行管理はタクシー会社が担うなど連携を試みるべきだ」という意見の一方で、「海外の事例のように運行管理を担う会社は業種を限る必要はない」との声が出ています。

また、「導入する場合は地域や時間を限定するのが望ましい」などの指摘もあります。

一方、タクシーの業界団体などには、乗客の安全確保や運賃競争によるタクシー運転手の労働環境の悪化を懸念する意見が根強くあります。

このため、政府は地域や関連業界の実情などを把握しながら、丁寧に議論を進めていく方針です。