“宗教2世”を生きる 対話を始めた当事者たち

“宗教2世”を生きる 対話を始めた当事者たち
去年7月に起きた安倍元首相銃撃事件を機に、社会に注目されるようになった“宗教2世”の問題。たとえ本人が宗教活動から離れても、家族や友人が信仰を続けている場合もあり、2世たちの苦悩は簡単には解消されません。

“宗教2世”としての人生をどう送っていけばよいのか。手がかりを求めて、立場や価値観が異なる人たちと言葉を交わし始めた2世たち。その“対話”の日々を見つめました。
(NHKスペシャル シリーズ“宗教2世” 取材班)

旧統一教会 元信者の2世からの問いかけ

銃撃事件以降、大きく注目された“宗教2世”の存在。複数の専門家はその定義を「特定の信仰をもつ親のもとで、その教えの影響を受けて育った子ども世代」としています。

じつは事件が起きるずっと前から、SNS上では宗教・宗派を問わず、さまざまな当事者たちがみずからを“宗教2世”と名乗り、苦悩を訴えていました。私たちは“宗教2世”たちの声に5年前から向き合い、取材をしてきました。

そのひとりが、ものさん(30代)。旧統一教会の教えを信じる両親のもとに生まれ育ち、10年前に信仰から離れました。長年、SNSで“宗教2世”として生きる苦しみを発信してきました。
物心ついたときから、自由恋愛を禁じる教えなどを守るように言い聞かされてきたものさん。教えから外れたら地獄に落ちるといった恐怖心を抱えながら、信仰をしてきました。

“信じない自由”が与えられなかったことに、苦しんできたといいます。
ものさん
「高校生ぐらいのときから、統一教会の道は本当は行きたくないという話を両親にポロポロと漏らしたことがあるんですよね。でも、両親の反応は、決まってものすごく逆上するんですよ。『あなたは2世なのに何を言っているんだ。神様の願いに応えずに堕落したサタンの道を行くつもりか』と。ひたすら教義で押さえつけられ、私の気持ちというのは全く通じなくて、話も聞いてもらえなかったです」
それでも、親からの愛情を感じていたものさん。信仰から離れることで親を悲しませたくないという葛藤を抱えていました。

しかし、ついに耐えきれなくなり、匿名で発信できるSNSに悩みを吐き出すと、共感してくれる声が寄せられました。そうした声に背中を押されたと感じたものさんは、「自分の人生を生きるためには、親から離れるしかない」と実家を出たといいます。

それから10年間、信者たちと関わりを持たず、過ごしてきました。
一方で、銃撃事件以降、旧統一教会をめぐる問題が次々にあらわとなり、解散を求める声が上がるなか、社会から信者へ向けられる偏見や差別が強まるのではないかと不安を感じているといいます。
ものさん
「教団の中にいる人たちとか、いざるをえない2世の子たちにまで偏見とかバッシングの目が向かないか、というところが気になっていて。信者たちが全員悪かというと、そういうこともなくて。現役の方たちの中にも、教団の問題を知っていて、なんとか改善しようと頑張っている人たちもいるんですよね。だから、白か黒かみたいな極端な分け方じゃなくて、もう少し解像度を上げて、社会は捉えてくれないかなと。『問題のある団体の信者だから全部だめだ。社会から排除しろ』じゃなくて、そういう人たちを社会でどうやって受け入れていったらいいのか、考えないといけないと思います」

現役の2世信者たちは今

旧統一教会の現役の2世信者たちは今、こうした状況をどう受け止めているのでしょうか。

ことし4月、現役の2世たちが「信者の人権を守る二世の会」という団体を立ち上げました。代表の小嶌希晶さん(28)。シンポジウムを開き、複雑な気持ちを訴えました。
小嶌希晶さん
「報道を見ても、マインドコントロールや洗脳という言葉が飛び交う中で、教会から距離を置いて被害者として生きるのか、それとも教会や親を肯定してマインドコントロールされていると言われ続けながら生きるのか、二択しかないような風潮でした。私は教会や親の被害者ではありません。一度しかない人生をどのように生きようかと必死で考えて、自分の意志で信仰を持つことを選びました」
「二世の会」では、2世たちが定期的に集まり、身の回りで起きていることや、ふだんはあまり口にできない率直な気持ちをオンラインなどで語り合っています。
メンバーの2世信者
「家庭連合の職員で物件を借りられなかったっていうのは2人くらい聞いたことがあって。保険証とかに(教団名が)書いてあるじゃないですか」
メンバーの2世信者
「信者に対するいじめや、世間のいろんな目や攻撃にさらされる人が、増えるんじゃないかすごく心配」
「二世の会」は、教団を擁護するための団体ではないとメンバーたちは強調します。

なぜ社会から解散を求める声が強まっているのか、これまでとおり宗教法人として存続する道はないのか、内部からは分からない外部の意見にも耳を傾けたいと、元信者との対話を重ねていました。
小嶌さん
「世間の声にも耳を傾けながら、折り合いを見つけていくのは大事だと思います。変えないといけないところは変えていき、一方で宗教にしかないものを壊さないこと。やっぱり二面あると思うので、すごく慎重に見つめていかないといけない。とにかく少しでも教団存続の道があるなら、模索していくというスタンスです」

異なる信条もつ2世 対話の行方は…

“信じる”ことを続けながらも、“信じない”人の気持ちを知りたいという小嶌さん。“信じない”と決めてからも、“信じる”人を受け入れる社会のあり方を模索するものさん。そんなふたりが、対話に臨みました。
ものさん 小嶌さん
「こんにちは。はじめまして」
小嶌さん
「私は教会の職員もしているので、向き合わないといけないなと思うんですけど、どういう手の差し伸べ方というか、こういうことをしてほしかったみたいなことありますか」
ものさん
「私はいちばんは、教会を離れる道を認めてほしかった。(親から)『あなたは祝福2世なんだから、絶対に教会の道を行くことしか許されない』というのを口酸っぱく言われていて。“信じない自由”というのを、今後どうやって教会が向き合ってくれるつもりなのか」
そうした苦しみが生まれるのは、教会の問題なのか、家庭の問題なのか、という議論の中で、ものさんは自身の苦悩は教義によってもたらされたと主張しました。
ものさん
「教祖の言葉とか、結構過激なことも言っていたじゃないですか。それこそ、うちの親は教義を読んでやっていたことなので、じゃあ教会の責任は全くないのかというと、個別の家庭の問題ではないと思いますよ」
小嶌さん
「(教義の)どこを取るかじゃないですかね。宗教だから『愛せ、愛せ』と言われてきましたよ。『傷つけろ』なんて教えられたことない。愛があるかどうかだと思うんですよね」
ものさん
「いや、私は違うと思うな。親からはすごく愛されたと思ってるんですよ。昔はすごく両親のことが大好きで、それですごく苦しんだんですよ。私が離れたら両親を悲しませてしまうというので」
一方で、小嶌さんも自身の家庭環境に悩んだことがあるといいます。そんなとき、教義があったからこそ、親子の絆をつなぎ止めることができたといいます。
小嶌さん
「宗教があったから、親の気持ちをくみ取ることができたというのもあるんですよ、私は。家庭環境的には恨んだだろうし、宗教がなかったら絶縁していたと思うんですよね。教義があったから寄り添ったし、理解しようとしたんですよ。その立場としては、教義が原因と言われると違うと思う」
ものさん
「なかなかちょっと、それぞれスタンスが違えば…」
小嶌さん
「違いますね。もう少し共通点があると思ったんですけど…」
教団によって苦しんだ2世と、幸せを感じているという2世。対話から浮き彫りになった深い溝。しかし対話の終盤、ふたりが交わす言葉のトーンに変化がありました。ものさんが2世たちに対する願いを口にしたときのことです。
ものさん
「苦しい思いをする2世が減ってほしいなという思いはずっとあって。それはいま、組織の内部にいる2世も、これから生まれてくる2世も、みんなに対してそう思っているので、ぜひ内部にいる小嶌さんが変えていってほしいなという気持ちが強いです」
小嶌さん
「そうですね。宗教の役割は人を幸せにするようなものなので。一人でも苦しい人が出ないようにというのは思っています。教会ができることは絶対にあるから、もっと模索していくべきだし、もっと離教した人の話を聞かないといけないですよね」
宗教とは何のためにあるのかーー。「信じる」「信じない」を越えて、原点に立ち返る言葉が交わされていました。

そして、解散命令請求が出された

対話から1か月後の10月13日。文部科学省は旧統一教会の解散命令請求に踏み切りました。裁判所が今後、国と教団双方の主張を聞いて命令を出すかどうか判断することになります。
審理を経て解散命令が確定すれば、教団は宗教法人格を剥奪されますが、宗教団体として布教や献金などの宗教上の行為が、禁止されるわけではありません。教団が存続するかぎり、信者たちの信仰は続いていきます。

親が信じる宗教の信仰を強いられ、苦悩と葛藤を続けてきたものさん。最後に語ったのは、教団が変わることにわずかでも望みをつなぎたい、という思いでした。
ものさん
「小嶌さんと話してみて、相いれないところはありましたが、私が出会ってきた1世と違って話が全く通じないわけではなく、小嶌さん自身が傷ついた2世のことを気にかけていることも本心だと思いました。2世が過去の尻拭いをするのはどうかと思いますが、2世なら教団を変えられる可能性があるのではないかと感じました」

宗教・宗派を越えて 声を上げ始めた“宗教2世”たち

宗教2世たちの訴えは今、宗教・宗派を越えた広がりを見せています。

8月下旬、東京の立正大学で、宗教2世の支援のあり方を考えるシンポジウムが開かれました。当事者による自助グループや、教育関係者らが一堂に会し、支援の現状と課題を報告し合いました。
シンポジウムでは、特に相談件数が多い宗教団体として、「エホバの証人」が議論にあがりました。1870年代にアメリカで生まれた新宗教です。

日本では親がむちで打つといった体罰や、子どもへの輸血拒否などをめぐって児童虐待にあたる可能性が指摘され、2023年3月には国が教団に事実確認を行いました。
(※教団側は「児童虐待は容認していない」「輸血拒否は家庭の判断を尊重」と説明)
エホバの証人2世のひとり、ゴンさん(50)。自らの体験を通じ、苦しみの中にいる子どもたちへの支援を呼びかけました。
ゴンさん
「エホバの証人では、多くの信者の子どもがむちでたたかれるという体罰を受けていたんですけれども、私は(信者の)母がやっていることをかばいたいという思いが強かったなと思います。実際、そのことを私は信者でない父にも話したことがなかったので。なので、学校には子どもがSOSを出すのを待つのではなく、積極的な関わりを求めていきたいなと思っています」

母に認めてもらえなかった“信じない”生き方

ゴンさんが宗教2世としての思いを語るとき、そこにはいつも、信者だった亡き母親の記憶があります。
ゴンさんの母親が宗教の道に進んだのは、夫婦関係や子育ての悩みを抱えていたとき、信者からの勧誘を受けたことがきっかけでした。

教えに従えば、楽園で永遠の幸せが約束されると信じた母親は、「神に喜ばれる子どもになるように、わが子をむちでたたいて正すべき」という教えにも忠実に従いました。

ゴンさんは、母の宗教を信じることはできませんでしたが、たたかれてもたたかれてても、黙って耐え続けたといいます。
ゴンさん
「母がむちで私をたたくときに、母も泣いているときがあったんですよ。母が思う道を行かなかったら、たぶん母が悲しむんじゃないかという気持ちはすごく強かったです。いつか母が信じていることを、信じられるようになりたいなと思っていました」
心にふたをしたまま、宗教活動に日々をささげる子ども時代を送ったゴンさん。ついに20歳のとき、母の元を離れることを決め、教団からも距離を置くようになります。

その後、母親からはたびたび「宗教に戻ってほしい」という手紙が届きました。信仰の道を歩まないというゴンさんの生き方は最後まで認めてもらえないまま、15年前、母親は病気で亡くなりました。

現在、夫と2人の子ども、4人で暮らしているゴンさん。母親として子どもたちと触れ合う毎日を通して、自分の子ども時代を振り返ることが増えていきました。そんな中で、ゴンさんの胸のうちに、ある思いがふくらんでいました。
ゴンさん
「今、自分の親と同じように、教団の中で子どもを育てた“1世”、親の世代の方たちとお話をさせていただいて、どんな気持ちで子どもを教団の中で育てたのかお伺いしたいです。もう私の母に聞くことはできないので。母が人生を懸けてまでしたものが母にとってどんなものだったのか、なぜだったんだろうということ。そこが分からないと、母と私の親子関係も、自分の人生も、ふに落ちない」

宗教を信じた親世代の思いとは

ゴンさんは、知り合いの紹介でつながった、母親世代の元信者に話を聞くことにしました。出迎えてくれたのは尾崎さん(78)。エホバの証人の元信者です。3人の息子を信者として育てました。
ゴンさん
「尾崎さんは、なんでエホバの証人になろうと思われたんですか」
尾崎さん
「実家の反対を押し切って結婚した夫との間で、女性問題や金銭問題に悩んでいたんです。うそはしょっちゅうつかれていましたし。だけど、その中でも私だけは、正しい道を歩きたいと思っていたんですね。そんなときに信者の方の訪問を受けました。聖書(注:エホバの証人の聖書解釈に基づく『新世界訳』のこと)もそのとき初めて目にしたんですが、どうしたら平和な家庭になるかということに関する記載が、自分が思っていたことと合っていたので、自分を肯定してもらえた感じがしましたね。うそはついてはいけないとか、家族関係に関しても夫は何より妻を愛し、妻は夫に従う。子どもは親に従う。そして、信者の方はみなさん優しく、穏やかだったんですが、それは聖書のとおりに行動しているからだろうとも感じていました。集会に参加されていたご夫婦が、ふたりでお話なさったりしてると、とてもそれが平和ですてきに見えたんですね。自分がそれができてないだけに、よけいにね。みんながこんなふうになったら、すばらしい世の中になるだろうなと思ったし、その中に子どもたちも入れたい、そこにいたら幸せになるのよ、という思いもありましたね」
ゴンさん
「よくうちの母も同じことを言ってました。すてきなエホバの証人のご家族を見ては、あなたたちもああいうふうになるのよって。お子さんたちには、例えば集会に行くときに『行きたい?』と聞いたりしたんですか」
尾崎さん
「全くないですね。嫌だって言ったら、それこそ、むちでたたいたこともありました。子どもがまるで自分の持ち物みたいな感じになっていて、親に従うもんだと思っていたし、それがいちばんの幸せだと思っていました。自分の言うとおり、ロボットみたいに動く子どもを目指しているような感じですよね」
ゴンさん
「私も母から、どういう人生を生きたいの?とか、何になりたいの?と聞かれたことが一度もない。もしかしたらそれは、母たちの世代もそういう環境の中で育ったからなのかな、なんて。やっぱりそうなんですか」
尾崎さん
「それもあるかもしれませんね。私は戦後の動乱の中で育っているのですが、自分自身、親や先生の言うことを聞いて、みんなに従順な子どもがいちばんいい子だという風に育てられた感じはありましたね」
ゴンさんにはどうしても聞いてみたいことがありました。母親にたたかれながらも、子ども心に「親としての良心は痛まないのだろうか」と、ずっと疑問に感じていたといいます。
ゴンさん
「お子さんをむちでたたくとき、何を考えていたんですか。こうすることが正しいんだと思ってのことだったんですか」
尾崎さん
「そうですね。私は特に、夫と別れた後は一人で子どもを育てたので、なかなか宗教活動に参加する時間も無かったんです。だから信者のみなさんから、子育てをよくやっていると見られたい気持ち、自分を繕おうとした部分もあったと思います」
ゴンさん
「私自身、子育てをするようになって、自分もやっぱりどこか人の目を気にしてるところってあるなって思います」
尾崎さんの子どもたちは、思春期になると宗教活動から離れていきました。それでも一人、30年にわたって信仰を続けた尾崎さん。教団を離れるきっかけになったのは息子のある言葉だったといいます。
尾崎さん
「『お母さん、なんのために宗教をやってるの?家族が、家庭が幸せになるためにやってるんじゃないの?自分たちは小さいときから何かをしようとしても、だめだめって全部もぎ取られちゃっているのに、どうやって飛び立てると思うの?』って言われたときは苦しいですよね。本当に子どもの言うとおりで、子どもたちにどうしたいのか聞いたことなんか一度もなかった」
ゴンさん
「でも、そのお子さんたちの言葉に真摯に向き合われる尾崎さん、すてきなお母さんだなと思います。もしできるのであれば、親子で、子ども側は昔こう感じてた、親としてはこういう思いで子どもを育てたということが、冷静に話せればいいと思うんですけど、やっぱり親子っていうと、どうしてもけんかになっちゃったりしますね」
尾崎さん
「そうですね。信じている側からすると、やっぱり反対の意見を言われるとよろいを着ちゃうので、話したくなくなるという気持ちが先行するでしょうね」
ゴンさん
「私も母と話をしようと思うと、相手はやっぱりよろいを着ちゃうので、存命中はなかなか話せなかったですね。今日はお話できてよかったです。本当にありがとうございました」
亡き母には聞けなかった思い。尾崎さんと言葉を交わしたゴンさんの中で、ある変化が生まれ始めていました。
ゴンさん
「尾崎さんとお話させていただいて、いろいろ思い返してみると、母も本当に家族を思い、子どもを思い、愛情深い人でもあったので、そういう真剣さから来る生き方だったのかなあと思えるようになりました。母を許す、相手の人生を肯定するというのではないですけど、少し母の気持ちに近づけた気がします」

共に生きていくために

ゴンさんも参加した立正大学のシンポジウムでは、“宗教2世”たちと共に生きていくために、参加者からさまざまな提言が出されました。
一般社団法人 宗教2世支援センター陽だまり 理事長 秋本弘毅さん(エホバの証人2世)
「宗教2世は家族と、宗教団体の中という閉ざされた環境の中にどうしてもいるので、一般社会に接する場所はどこかというと、一番は学校なんですね。その学校で、例えば否定されたとか、先生に言ったけれどなんにも分かってもらえなかったとか、よくある話ではあるんです。それからもう少し大人になって、カウンセリングや精神科でも宗教が絡んでるからうちらはできないみたいなことを言われることが多いそうです。われわれのような支援団体と、専門職がもっと連携させていただく機会を増やしていきたい」
当事者の集い「オフ会」を主催するエホバの証人2世の男性
「学校で信教の自由はだいたい皆さん勉強するとは思うんですけれども、“信じない自由”があるということについては、言及されることはほぼないと思います。なかなか宗教2世の子どもが、それを1回聞いただけで、自分の意思を言えるかというと難しいですが、何回か伝え続けることで、少し大きくなったときに、自分には“信じない自由”があるという意識が持てるかもしれないと思います」
臨床心理士・スクールカウンセラー 平野学さん
「銃撃事件を契機にして、宗教2世問題に専門職はみんな関心を持っています。ただ、なかなかつながりにくい、取っかかりがもうひとつというところで、まだ引いている部分があります。スクールカウンセラーの研修会などにも、当事者の皆さんに参加していただいて、こういう問題への敷居を低くしていけたらいいと思います。別に専門家でなくても、多くの人たちが子どもに信頼され、話してみようかなと思ってもらえる状況になることが一番いいですよね」
ゴンさんは、シンポジウムの最後に、自分と同じ当事者たちに向けて語りかけました。
ゴンさん
「宗教2世の方に向けて、一人ではないですし、必ず話せる人、友達になれる人っていうのを見つけることができると思いますので、諦めないでほしいということと、自分の人生は自分が主役として生きていくんだっていうことを、一人一人が感じられるようになったらいいなと願っています」
京都放送局ディレクター
三浦規義
2019年入局
首都圏局、大阪局を経て現所属
入局時から“宗教2世”を取材
第一制作センター (新領域)ディレクター
辻佐絵子
2018年入局
初任地・名古屋局時代、身近に当事者がいたことで、“宗教2世”問題の取材をはじめる
子どもが尊重される社会のありようを考えていきます