EU首脳会議 ウクライナへの資金支援 2か国が支持しない姿勢

ロシアによるウクライナ侵攻が長引くなか、EU=ヨーロッパ連合の首脳会議でハンガリーなど2か国が、ウクライナへの今後の資金支援を支持しない姿勢を示し、ウクライナを支えるEUの結束を揺るがしかねない事態となっています。

EUは、27日までの2日間ベルギーで首脳会議を開き、ウクライナに対し、来年からの4年間で最大500億ユーロ、日本円で7兆9000億円規模の資金支援や、その裏付けとなるEUの予算について協議しました。

27日、記者団の取材に応じたエストニアのカラス首相は、首脳会議でハンガリーとスロバキアの2つの加盟国が、資金支援について支持しない姿勢を示したことを明らかにしました。

このうち、ロシア寄りの姿勢を示すハンガリーのオルバン首相は、27日朝、ラジオに出演し「ヨーロッパの戦略はウクライナが戦争に勝つというものだったが、そうはならない。ウクライナに資金を送る理由はない」と述べました。

また、ウクライナへの軍事支援の停止を訴えて、10月に新たに就任したスロバキアのフィツォ首相は、SNSにウクライナ国内の汚職を問題視し、資金が適切に使われる保証が必要だと投稿しました。

EUはことし年末までの合意を目指していますが、資金支援には、すべての加盟国の合意が必要で、2か国の姿勢はウクライナを支えるEUの結束を揺るがしかねない事態となっています。