赤信号直進のバイクと衝突 車のドライバーに無罪判決 福岡地裁

交差点を右折しようとした車が対向車線を赤信号で直進してきたバイクと衝突した事故で、車のドライバーが罪に問われるかが争われた裁判で、福岡地方裁判所は「赤信号で交差点に進入してくるバイクまで予測して安全を確認すべき注意義務はない」などとして、過失運転傷害などの罪に問われたドライバーに無罪を言い渡しました。

おととし10月、福岡県古賀市にある片側3車線の国道の交差点で、乗用車が右折しようとした際、対向車線を赤信号で直進してきたバイクと衝突し、乗用車を運転していた市内のナイジェリア国籍の50代の男性がバイクの運転手にけがをさせたとして過失運転傷害などの罪に問われました。

検察は、バイクが赤信号で交差点に進入していたことを把握しないまま男性を起訴しましたが、男性側の指摘を受けて補充捜査を行った結果、バイク側が赤信号を直進したことが明らかになり、起訴内容を変更していました。

27日の判決で福岡地方裁判所の今泉裕登裁判長は「車を運転していた男性は対面の信号が赤に変わり、もはや赤信号に従わないで交差点に進入してくる車両はないと信頼して右折した。赤信号で停止している他の車両を追い抜いたうえで交差点に進入してくるバイクまで予測して安全を確認すべき注意義務はない」などと指摘し、無罪を言い渡しました。

判決について男性は「捜査した警察は私の言ったことを信じてくれませんでした。もともと思っていたとおりの判決が出てうれしいです」と話しました。

福岡地検「適切に対応したい」

福岡地方検察庁は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントしています。