クマ対策で住民が柿や栗の木を伐採 富山 南砺

クマによる人への被害が相次ぐなか、富山県南砺市では地区の住民たちがクマの餌となる柿や栗の木の伐採作業を行いました。

南砺市の山本地区では27日、木の管理が難しくなった高齢者から依頼を受けて、自治会の役員や地元の大工など5人が柿や栗の木合わせて19本の伐採作業に当たりました。

ブナなどが不作となり、クマが餌となる柿の実などを求めて人里に下りてくるケースが増えていることから、こうした木を伐採して被害を防ぐことがねらいです。

住民たちは田んぼ近くの土手にある木をチェーンソーなどで根元から切り倒したあと、運びやすいように幹や枝を細かく切っていました。

南砺市はクマ被害防止のため果樹などの伐採をする自治会に対して、費用の一部を補助する事業を行っています。

富山県内では、今月26日までにクマの出没情報が211件寄せられ、去年10月、1か月間の10倍近くに増えているほか、ことしはこれまでに5人が襲われ、女性1人が死亡しました。

伐採を依頼した森田睦子さん(76)は「高齢になり自分で木を切るのが難しいのでお願いした。最近もクマが近くを歩いていたと聞いたので怖い」と話していました。

南砺市山本自治会の森田喜邦会長は「住民の高齢化で管理が難しい木が増えている。クマの被害対策を進め、地域の人の安心につながってほしい」と話していました。