9月 中国への魚介類輸出額 前年同月比99%減 財務省貿易統計

財務省の貿易統計で、9月、日本から中国へ輸出した加工品を除く魚介類の金額は前の年の同じ月と比べて、99%の大幅な減少となりました。中国が東京電力福島第一原発の処理水の放出に反発し、日本産の水産物の輸入を全面的に停止したことが影響しました。

財務省が27日発表した9月の貿易統計によりますと、日本から中国へ輸出した加工品を除く魚介類の金額は5545万円となり、前の年の同じ月より99%減少しました。

東京電力福島第一原発の処理水の放出に反発する中国は、ことし8月から日本産の水産物の輸入を全面的に停止していて、こうした措置が影響しました。

中国の税関当局が10月18日に公表した統計では、先月の日本からの水産物の輸入額について数字を表記せず、事実上、ゼロとなっていました。

財務省の貿易統計によりますと去年1年間の日本から中国への魚介類の輸出額は、717億円余りと国や地域別で最も多く、水産業への影響がさらに広がることが懸念されています。

政府は水産事業者に対し、風評対策や中国に依存するホタテの輸出先の転換などを支援するとともに、中国に対して、引き続き輸入停止措置の撤廃を求めていくことにしています。