メキシコ南部にハリケーン直撃 27人死亡 交通・通信遮断

メキシコ南部の観光地を猛烈なハリケーンが直撃し、これまでに27人の死亡が確認され、交通や通信網が遮断されるなど深刻な被害が出ています。今回のハリケーンは上陸前のわずか12時間で記録的なスピードで発達し、気候変動による影響も指摘されています。

猛烈なハリケーン「オーティス」はメキシコ南部のリゾート地アカプルコを25日に直撃し、その被害の状況が徐々に明らかになっています。

現地からの映像ではおよそ10階建ての建物の壁などが大きく崩れ落ちがれきなどが街中に散乱しているほか、広い範囲で洪水が起き、大通りやスタジアムの周りが完全に水につかっています。

メキシコ政府は26日、これまでに27人の死亡が確認され、4人の行方がわからなくなっていると発表しました。

現地では通信網が一時、遮断されたほか、空港の管制塔が破壊されるなど交通インフラも大きな打撃をうけていて、アカプルコの周辺地域の被害状況はまだ明らかになっていないということです。

NOAA=アメリカ海洋大気局によりますとハリケーン「オーティス」はアカプルコ近くに上陸する前のわずか12時間で熱帯低気圧から最も高い「カテゴリー5」になり太平洋東部で発生したハリケーンとしては最も急速に発達しました。

アメリカの新聞ワシントン・ポストは「気候変動により海水温が上昇していることを考えれば、こうしたことはより頻繁に起きうる」と指摘しています。