ロシアへ弾薬供給 “北朝鮮は重要な武器の供給国” 英国防省

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対し、北朝鮮が弾薬などを供給していると関係国が警戒を強めています。

イギリス国防省は「ロシアにとって、北朝鮮はイラン、ベラルーシと並び最も重要な武器の供給国となる」と警告しています。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアは東部ドネツク州などで攻勢を強めているとみられています。

こうした中、ロシアは武器不足を補うため北朝鮮から弾薬などを受け取っていると指摘されていて、アメリカ・ホワイトハウスの高官は今月13日、北朝鮮がロシアにコンテナ1000個以上にあたる弾薬などを供与したことがわかったと発表しています。

これについてイギリス国防省は26日「北朝鮮の弾薬がロシア西部の弾薬庫に到着したことはほぼ確実だ。弾薬庫はウクライナでの軍事作戦に使われている」と指摘しました。

そのうえで「この規模とペースで輸送が続けば、ロシアにとって、北朝鮮はイラン、ベラルーシと並び最も重要な武器の供給国となる」と警告しています。

北朝鮮からロシアへの軍事支援については日米韓3か国の外相も26日の声明で軍事装備品や弾薬の提供が複数回確認されたとした上で、ロシアの侵略戦争による人的被害を著しく増大させることになると強く非難しています。

また、ロシアと国境を接するバルト三国の1つ、リトアニアのランズベルギス外相はSNSで「EUはウクライナに100万発の砲弾を約束したが、30万発しか届いていない。一方、北朝鮮はロシアに35万発も供与している」と投稿し、ウクライナへの迅速な支援を訴えました。

これに対しロシア大統領府のペスコフ報道官は北朝鮮の武器支援について「根拠がない」と否定する一方で「北朝鮮とは今後もあらゆる分野で関係を発展させていく」としています。

「ロシア軍が命令に従わない兵士処刑の情報」米ホワイトハウス

ウクライナへの侵攻を続けるロシアについて、アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は26日、記者会見でロシアは兵士の犠牲もいとわず攻撃を続けているとしたうえで「ロシア軍が命令に従わない兵士を処刑しているという情報がある。さらには軍の司令官が、ウクライナの砲撃から退却しようとすれば部隊全体を処刑すると脅しているという情報もある」と述べました。

カービー調整官はまた、ロシア軍について現場での指揮が機能していないことに加え、十分な訓練を受けていない兵士が動員され、装備も不足していると指摘しました。

一方、ロシア軍が攻撃を続ける限りウクライナを支援していくとしてバイデン政権は高機動ロケット砲システム=ハイマースに使われるロケット弾や、対戦車ミサイル「ジャベリン」など、1億5000万ドル、日本円にしておよそ225億円相当の追加の軍事支援を行うと発表しました。