カザフスタンに米支援の平和維持部隊の施設開設 ロシアは警戒

ロシア主導の軍事同盟に加盟する中央アジアのカザフスタンで、平和維持にあたる部隊の能力を高めるためだとしてアメリカが支援する形で、新たにセンターが設立され、ロシア大統領府は、警戒するとともにアメリカの意図を見極める考えを示しました。

カザフスタンの国防省は、国連の平和維持活動に参加する部隊の訓練を行うための拠点を2006年から設置していましたが、今月23日、新たなセンターが開設されました。

センターはアメリカが支援する形で設立されたもので、現地のアメリカ総領事館によりますと、アメリカの大使も出席して開設の記念式典が行われたということです。

総領事館は、このセンターを設立した目的について「国際的な平和維持にあたる部隊の能力を高めるためだ」としています。

これについて一部のロシアメディアは「ワシントンは中央アジアに親欧米の軍事ブロックを作ろうとしている」などと伝えロシア大統領府のペスコフ報道官も25日「より詳細な情報収集が必要だ」と述べて警戒するとともにアメリカの意図を見極める考えを示しました。

ロシアは、みずからが主導する軍事同盟に加盟するカザフスタンを勢力圏の一部とみなす一方、アメリカのバイデン政権は、ウクライナ侵攻以降ロシア離れが進んでいるとされるカザフスタンなど中央アジアの国々との関係を重視する姿勢を示しています。