岸田首相 減税案などもとに制度設計検討指示 与党議論本格化へ

新たな経済対策をめぐり、岸田総理大臣は、4万円の減税や非課税世帯に7万円の給付を行う案などをもとに制度設計を検討するよう与党に指示しました。自民・公明両党は27日から議論を本格化させることにしていて、富裕層も減税の対象に含めるかどうかなどが焦点となります。

岸田総理大臣は26日政府与党政策懇談会で、税収増を国民に還元するため具体的な制度設計を検討するよう与党に指示しました。

政府案では
▽納税者本人と扶養家族を対象に1人当たり所得税3万円と住民税1万円の合わせて4万円の定額減税を行うとしています。

また
▽住民税の非課税世帯には7万円を給付し、すでに決定した3万円と合わせて10万円になる案などが示されました。

これを受けて自民・公明両党は27日、それぞれの税制調査会で幹部による会合を開いて議論を本格化させることにしています。

減税については、両党から「物価高の影響を大きく受ける人たちを支援する観点から富裕層は対象から外すべきだ」といった意見が出ています。

一方で「所得制限を設ければ仕組みが複雑になる」といった指摘もあり、富裕層も対象に含めるかどうかなどが焦点となります。

政府は、11月2日に経済対策を決定したうえで、給付は補正予算案の成立後、速やかに行うとともに、減税は法改正を経て来年6月に実施したい考えです。

自民 世耕参院幹事長「賃上げと減税を接続させデフレ脱却を」

自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で「給付と減税を合わせた形で相当手厚い対応になると思う。来年春の賃上げと減税をうまく接続させてデフレ脱却を本格化させることにつなげてほしい」と述べました。

また減税を行う際に所得制限を設けるかどうかについて「富裕層には4万円の減税はあまり実感がわかないと思うので、どこかで線を引く必要があるのではないか」と述べました。