ロシア 38万人余が兵役に “来年も契約軍人で兵員補充”決定

ロシアの安全保障会議のメドベージェフ副議長はことし1月以降、38万人余りが兵役に就いたとしたうえで、プーチン大統領が来年も契約軍人で兵員の補充を行うことを決定したと明らかにしました。兵力を増強し、ウクライナ侵攻を続ける構えを示したものとみられます。

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍は東部ドネツク州などで、人員の犠牲もいとわず攻撃を繰り返しています。

ロシアの前の大統領で、安全保障会議のメドベージェフ副議長は25日、軍への追加人員に関する会議を開き、ことし1月以降、契約軍人を中心に38万5000人が兵役に就いたと明らかにしました。

また、毎日およそ1600人が軍と契約を結んでいると主張したうえで「プーチン大統領は来年も契約軍人で兵員の補充を行っていくことを決定した」と述べました。

ロシア軍をめぐっては、イギリス国防省が今月、死者と、戦闘に復帰できない負傷者を合わせると15万人から19万人に上るという見方を示すなど、兵員不足が深刻になっています。

プーチン政権は去年9月に30万人規模の予備役の動員に踏み切りましたが、国民の間で不安や反発が広がり、その後は高額の報酬などを示しながら、契約軍人などを確保しています。

プーチン政権としては、来年3月の大統領選挙を前に、国民の不満を回避しつつ、契約軍人によって兵員不足を補い、ウクライナ侵攻を続ける構えを示したものとみられます。