自衛隊のACSA 物品提供から1年以上 未決済110件 会計検査院

自衛隊と他国の軍との間で食料や燃料などを提供し合うACSA=「物品役務相互提供協定」について会計検査院が調査した結果、物品の引き渡しから1年以上過ぎても、決済が完了していないケースが110件あり、総額で1億3500万円に上ることがわかりました。

ACSA=「物品役務相互提供協定」は、自衛隊と他国の軍との間で食料や燃料などを互いに提供し合う協定で、決済は物品の引き渡しから1年以内に完了させることになっています。

これについて会計検査院が2021年度までの5年間の状況を調べた結果、締結している6か国のうちアメリカとオーストラリア、それにフランスの3か国との間の110件、総額1億3500万円余りの決済が完了していないことがわかりました。

このうちアメリカへの燃料提供が53件、およそ8500万円で、補給艦「おうみ」がアメリカ海軍に提供した軽油およそ2600万円分は、4年以上たったことし6月時点でも決済が終わっていなかったということです。

会計検査院は、こうした状況を解消する取り組みが十分ではないとして改善を求めるとともに、速やかに決済を完了させるよう防衛省に求めました。

防衛省は各国と決済に向けた手続きを進めているとしたうえで、「同様のことが起きないようルールを徹底していく」としています。