「全学徒隊の碑」設置などに尽力 上原はつ子さん死去 沖縄

太平洋戦争末期の沖縄戦で廃校となった女学校の元生徒で、犠牲になった生徒たちを慰霊する「全学徒隊の碑」の設置など戦争体験の継承に尽力した上原はつ子さんが亡くなりました。94歳でした。

沖縄戦当時、那覇市泊にあった昭和高等女学校の生徒だった上原はつ子さんは、避難先から学徒隊に参加しようとしましたが、父親に引き止められ生き残りました。

女学校を含め、沖縄戦で県内21の学校の生徒が学徒隊として動員されたり、戦禍に巻き込まれたりして亡くなった悲劇を後世に伝えたいと、糸満市の平和祈念公園にある「全学徒隊の碑」の設置に尽力したほか、語り部としても活動を続けてきました。

ことし6月には、母校の泊小学校で戦争体験を語り、NHKの取材に「沖縄戦の体験を伝えるのは私の使命だと思う。それを聞いた子どもたちは、また他の人に伝えてほしい」と話していました。

家族によりますと、上原さんは8月下旬まで元気だったということですが、心不全で入院したあと脳梗塞を起こし25日、那覇市内の介護施設で亡くなりました。

94歳でした。

沖縄県内では、ことしに入って
▽「白梅学徒隊」の中山きくさんや
▽撃沈された学童疎開船「対馬丸」の生存者の平良啓子さんなど
戦争体験の記憶の継承を担ってきた人が相次いで亡くなっています。