米メーン州の銃撃事件 死者18人 けが13人に 男の行方捜査

アメリカ東部メーン州のルイストンで25日、銃撃事件があり、州当局によりますと18人が死亡、13人がけがをしました。警察は容疑者の男の写真を公開し行方を捜査しています。

アメリカ東部・メーン州のルイストンで、25日午後7時ごろボウリング場やバーで相次いで銃撃がありました。

一連の銃撃事件でアメリカの複数のメディアは少なくとも22人が死亡したと伝えていましたが、州当局は26日会見し、18人が死亡、13人がけがをしたと発表しました。

地元の警察は写真を公開した40歳の男について殺人の疑いで逮捕状を取り、行方を捜査しています。

州当局によりますと、男は銃を持っているとみられ、周辺の住民に対して引き続き屋内にとどまるよう呼びかけています。

近くに住む53歳の男性は「ふだんは静かな街で、こんなことが起きるとは信じられません。言葉もありません」と話していました。

アメリカの複数のメディアによりますと、容疑者の男は、銃器の取り扱いの指導員をしていたということです。

ルイストン市とは

アメリカ東部メーン州のルイストン市は、人口が3万7000人ほどの小さな町です。

かつては織物など製造業を中心に発展してきました。

市内には多くの大学があり、教育や医療が地域経済の中心を担っています。

バイデン大統領 メーン州ミルス知事と電話会談

ホワイトハウスによりますと、バイデン大統領はメーン州のミルス知事と電話で会談し「連邦政府として全面的に支援する」と伝えたということです。

バイデン大統領 銃規制強化進めるも被害あとをたたず

アメリカのバイデン大統領は、銃規制の強化を進めていて、2022年6月、28年ぶりに銃規制強化の法律が成立し、21歳未満の銃の購入者に対する審査の厳格化などが盛り込まれました。

また、9月にはホワイトハウスに銃による暴力を防ぐための対策室を初めて設置しました。

設置の目的は、銃による暴力を減らし、人の命を守るための措置を拡大させるためだとして、監督役にはハリス副大統領を指名しました。

バイデン大統領は、声明で、「家族や地域社会、そしてわれわれの国を引き裂いている銃暴力のまん延と闘うために、対策室は全力を尽くす」と述べていました。

また、殺傷能力の高い銃の規制に向けて、引き続き議会に働きかけていく考えを示し、来年に大統領選挙を控える中、有権者にアピールするねらいもあるとみられます。

しかし、銃による被害はあとをたたず、非営利団体、「ガン・バイオレンス・アーカイブ」によりますと、ことし、アメリカで銃で撃たれて死亡した人は、10月26日時点で1万5545人に上っています。

アメリカ国内 銃による死者 自殺を含め3万5200人に

アメリカではことし、銃撃事件が相次いでいます。

銃による被害について統計をまとめている非営利団体「ガン・バイオレンス・アーカイブ」によりますと、アメリカ国内で一度に4人以上が撃たれた銃撃事件は、ことし1月以降、今月25日までに565件に上っています。

ことし1月にはロサンゼルス郊外で男が銃を発砲して10人が死亡、10人がけがをする事件があったほか、この事件の2日後には、サンフランシスコ近郊でも銃撃事件が発生し、合わせて7人が死亡しました。

アメリカ国内では、ことしに入ってから今月25日までに銃で死亡した人は、自殺を含め3万5200人に上っています。

バイデン大統領「容認できない」 規制強化へ共和党に協力求める

事件を受けてバイデン大統領は26日、声明を発表し「あまりにも多くのアメリカ人が銃で家族を殺されたりけがをさせられたりしている。これは正常なことではなく、容認できない」と強調しました。

その上でバイデン大統領は殺傷能力の高い銃の販売禁止など銃規制を強化する必要性を訴え、規制に慎重な野党・共和党に協力を求めました。

今回の銃撃事件を受けてバイデン大統領は政府機関や軍の施設などで半旗を掲げるよう指示し、ホワイトハウスもアメリカ国旗を半旗にして犠牲者に哀悼の意を表しています。

村井官房副長官「邦人の被害情報には接していない」

村井官房副長官は午後の記者会見で「犠牲になられた方々とご家族に深い哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々のご回復をお祈り申し上げる。ボストンにある総領事館から在留邦人に対し注意喚起を行っているが、現時点で邦人の生命、身体に被害が及んでいるとの情報には接していない」と述べました。