東京のペットサロンでも…中東の軍事衝突でサイバー攻撃相次ぐ

イスラエルとイスラム組織ハマスとの軍事衝突が続く中、世界各国でサイバー攻撃も相次いでいて、東京のペットサロンでも、ホームページが改ざんされる被害が出ています。パレスチナを支持するハッカー集団が犯行声明を出していて、専門家は注意を呼びかけています。

イスラエルとイスラム組織ハマスとの軍事衝突が続く中、世界各国でサイバー攻撃も相次いでいます。

政治的な主張を目的にサイバー攻撃を仕掛ける「ハクティビスト」と呼ばれるハッカー集団が関与しているとみられます。

このうち、東京 目黒区のペットサロンでは、ホームページが何者かによって改ざんされているのが25日午後見つかりました。

サイトには、英語で「われわれは常にパレスチナのイスラム教徒の同胞に寄り添っている」などといった主張が書かれていました。

一方、「IRoX Team」と名乗るハッカー集団が今回のサイトについてハッキングを行ったとSNS上で主張しています。

店のオーナーの50代の男性は「イスラエルのニュースは毎日、見ていましたが、まさか自分に降り注ぐとはという感じで、びっくりしています。自分ではどうすることもできないので専門の人に聞いてみようかなと思っています。迷惑なのでやめてほしい」と話していました。

専門家 “サイバー攻撃かつてないほど過激化”

専門家は今回の軍事衝突を受けて、サイバー空間でも「ハクティビスト」と呼ばれる政治的な主張を目的にサイバー攻撃を仕掛けるハッカー集団の活動が活発化していると指摘しています。

ハッカー集団の動向を監視・分析するNTTセキュリティ・ジャパンの真鍋太郎さんは「かつてないほどに過激化していて、海外では、システムを停止させるような攻撃がちゅうちょなく行われている。これまではイスラエルとパレスチナの周辺でとどまっていたが、最近はほかの国にも波及している印象だ」と指摘しています。

真鍋さんによりますと、国連でロシアが提出したハマスを非難せずに即時停戦などを求める決議案について日本がアメリカなどとともに反対したことを受けて、別のハッカー集団が今月20日に日本を攻撃のターゲットにあげるという活動も確認されているということです。

今回のハッカー集団の詳しい実態はわかっていないものの、反イスラムだと判断した国や組織などに対して攻撃を仕掛けているとみられ、今回はイスラエルやイスラエルを支持する国に対してデータを盗むなどのサイバー攻撃を行ったと主張しているということです。

ただ、日本の店が被害にあったことについては「この店に恨みがあって危害を加えようとしたわけではなく、自分たちの主張を世界中に広めるため、ターゲットの1つである日本に所属する組織で、サイトにぜい弱性や設定の不備があったことから、被害にあったと考えられる」としています。

対策としてはソフトウエアを最新の状態に保つことに加え、システムの情報を不必要に外部に公開しないなど設定を見直すことなどをあげています。

真鍋さんは「サイバー空間は非常に荒れている状況で、どんな攻撃がとんでくるか分からない。ただ、基本的な対策でほとんどの攻撃を防げる。どこの会社でもサイトを立ち上げた時はセキュリティーを意識できるものの、長年、続けているとついバージョンアップをおろそかにするなど、ミスが起きてしまうことがある。セキュリティーのしっかりした運用が必要だ」と話しています。