米下院 議長不在22日ぶりに解消 共和党4人目の候補 議長に選出

アメリカ議会下院で、共和党内の対立で解任された議長の後任を選ぶ投票が行われ、多数派を占める共和党のマイク・ジョンソン議員が過半数の票を獲得し、議長に選出されました。下院議長の不在という異例の事態は22日ぶりに解消され、ジョンソン氏が今後、共和党内をまとめていけるかが焦点です。

アメリカ議会下院では、多数派を占める共和党の内部対立で、今月3日に前議長のマッカーシー氏が史上初めて解任され、3週間以上にわたって法案の採決などができない状況が続いていました。

共和党は党の議長候補が内部対立で支持をまとめられず相次いで撤退する中、24日、4人目の議長候補として下院共和党会議の副議長を務めるマイク・ジョンソン議員を決めました。

これを受けて下院は25日本会議を開き、投票を行った結果、ジョンソン氏が、投票した共和党議員全員の支持を固め、下院の過半数にあたる220票を獲得して、正式に議長に選出されました。

下院議長の不在という異例の事態は22日ぶりに解消されました。

ジョンソン氏はトランプ前大統領に近い議員とされ、アメリカメディアは「これまでの議長候補と比べて知名度は高くないが、冷静で党内に敵が少ない」と伝えています。

そして「党内で内紛が続く状況に疲弊した共和党議員たちがジョンソン氏の選出に向けて結束した」としています。

ジョンソン氏は今後、イスラエルやウクライナへの支援を盛り込んだ緊急予算や、新年度の政府予算案の調整にあたりますが、共和党内で立場の隔たりが大きい保守強硬派と穏健派の双方をまとめていけるかが焦点になります。

ジョンソン氏 本会議場で演説 結束訴え

アメリカ議会下院の議長に選出されたジョンソン氏は本会議場で演説し「われわれは今、異常な危機の中におり、世界はわれわれが強くあることを求めている。混乱と暴力が中東地域と東ヨーロッパを揺るがし、インド太平洋地域でも緊張が続いている。揺らいではならない」と述べ結束を訴えました。

そして「私はまもなくこの議場に最初の議案を提出する。それは友人であるイスラエルを支持するためのものだ」と述べ、下院としてイスラエル支持を明確にする決議案を提出する考えを示しました。

バイデン大統領「誠意を持って協力していくつもりだ」

アメリカ議会下院で共和党のジョンソン氏が議長に選出されたことを受けてバイデン大統領は声明を発表し「ジョンソン議長の選出をお祝いする。議長が誰であれ、私はアメリカ国民の代表として誠意をもって協力していくつもりだ」と強調しました。

そして「今こそ私たち全員が責任を持って行動し、いかなる党派性よりもアメリカ国民の利益を優先すべき時だ」として、イスラエルやウクライナへの支援を盛り込んだ緊急予算や、新年度の政府予算案の成立に向けて協力を求めました。