【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(26日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる26日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア「来年も契約軍人で兵員補充」

ロシアの前の大統領で、安全保障会議のメドベージェフ副議長は25日、軍への追加人員に関する会議を開き、ことし1月以降、契約軍人を中心に38万5000人が兵役に就いたと明らかにしました。

また、毎日およそ1600人が軍と契約を結んでいると主張した上で「プーチン大統領は来年も契約軍人で兵員の補充を行っていくことを決定した」と述べました。

ロシア軍をめぐっては、イギリス国防省が今月、死者と、戦闘に復帰できない負傷者をあわせると15万人から19万人に上るという見方を示すなど、兵員不足が深刻になっています。

プーチン政権は去年9月に30万人規模の予備役の動員に踏み切りましたが、国民の間で不安や反発が広がり、その後は高額の報酬などを示しながら、契約軍人などを確保しています。

プーチン政権としては、来年3月の大統領選挙を前に、国民の不満を回避しつつ、契約軍人によって兵員不足を補い、ウクライナ侵攻を続ける構えを示したものとみられます。

ロシア 核兵器を搭載可能なミサイルの発射演習

ロシア大統領府は25日、プーチン大統領が指揮を執って、核兵器も搭載可能なミサイルの発射演習が行われたと発表しました。

▽ロシア北部の宇宙基地から大陸間弾道ミサイル「ヤルス」を、
▽北西部のバレンツ海で原子力潜水艦から弾道ミサイル「シネワ」を発射したほか、
▽長距離戦略爆撃機から巡航ミサイルを発射し、
いずれも計画どおりに遂行されたと強調しました。

ロシアでは同じ日に、議会上院がCTBT=包括的核実験禁止条約の批准を撤回する関連法案を可決し、プーチン大統領の署名をもって批准が撤回される見通しとなりました。

議会で演説したリャプコフ外務次官が核実験を再開する可能性も示唆するなど、プーチン政権は核戦力による威嚇を繰り返し、ウクライナ侵攻で対立を深めるアメリカへのけん制を一段と強めています。

ゼレンスキー大統領 “無人機攻撃で原発の建物が被害”

ウクライナのゼレンスキー大統領は25日に公開した動画で、ウクライナ西部のフメリニツキー州でロシア軍による無人機攻撃があり、撃墜はしたものの、周辺に住むおよそ20人がけがをしたほか、フメリニツキー原子力発電所の敷地内にある建物が被害を受けたと明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は「原発を標的にしていた可能性が高い」と強く非難した上で、防空能力を強化する必要性を改めて訴えました。

これに対し、ロシア国防省は25日、アメリカがウクライナに供与した、射程の長い地対地ミサイルATACMS、2発を迎撃したと主張しましたが、原発周辺への攻撃については言及していません。

IAEA 原発の建物の被害を確認

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、25日、声明を発表し、ウクライナ西部のフメリニツキー原子力発電所の周辺で大きな爆発があり、敷地内にある建物などで被害が出たと明らかにしました。

原発には、IAEAの専門家が常駐し、25日午前には、大きな爆発音が2回聞こえたということで、ウクライナ側からは原発からおよそ5キロから20キロ離れた場所であわせて2機の無人機を撃墜したという報告を受けたということです。

そして、爆発の衝撃波で原子炉建屋につながる通路をはじめ、敷地内の複数の建物の窓ガラスが割れ、放射線モニタリングの施設への電力供給も一時的に途絶えたということです。

原発の運転に直接的な影響は出ていないということですが、グロッシ事務局長は「ウクライナの原子力の安全が極めて不安定な状況に置かれていることを改めて明確にした」として、強い危機感を示しました。