ロシア 冬の戦闘に向け準備を指示 インフラ施設を標的に攻撃か

ロシアのショイグ国防相は侵攻を続けるウクライナ東部の指揮所を訪問し、冬の戦闘に向けて部隊に準備を指示しました。ロシアは冬の間、インフラ施設に対して無人機による攻撃を強めていくとみられ、ウクライナ側は警戒を続けています。

ロシア国防省は、軍事侵攻を続けるウクライナ東部のドネツク州の南方方面で戦闘を行う指揮所にショイグ国防相が訪問したと25日、発表しました。

ショイグ国防相は戦況とともに、無人機を扱うロシア軍の部隊についても報告を受けたということです。

さらに、今後の冬の戦闘に向けて寒さ対策の軍需物資の支給など部隊に準備を指示したとしています。

また、ウクライナ空軍は25日、ロシア軍が夜間、11機のイラン製の無人機を使って各地で攻撃を行い、いずれも撃墜したと発表しました。

ただ、西部フメリニツキー州では破壊した無人機の破片が落下し、16人がけがをしたほか、ウクライナのエネルギー省は、攻撃によってフメリニツキー原子力発電所の敷地内にある管理棟が損傷し送電線が切断され、周辺地域で停電が起きたと発表しました。

ゼレンスキー大統領は25日、SNSで「エネルギーのインフラ施設に対するテロ攻撃にわれわれは備えている。ことしは自分たちを守るだけでなく、それに対応していく」と投稿し、冬の間のインフラへの攻撃に対し警戒を続けています。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は24日、ロシア軍が23日にキーウ州で攻撃した際、ロシア製の新たな長距離無人機「イタルマス」を初めて使用した可能性があると指摘しました。

ロシアは冬の時期に向けてインフラ施設を標的にした攻撃を強めていくとみられていて「戦争研究所」は「イラン製の無人機だけでなくより安く、軽量な国産の無人機で攻撃を補おうとしている」として攻撃の手法を多様化しようとしていると分析しています。